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日本国憲法改正提案Ⅴ

―権利だけではなんでいけないの?―

条文にてみよう

前文、第1章、第2章と検討してきた。本稿は第3章だ。Ⅰでは第3章の文言訂正と統一を提案したが、一度それを少し構成をかえて条文にしてみよう。その前に以下の条文を検討する。

ノーマ・ジーン・ベイカー

兵役の義務と権利

ブラジル共和国憲法
第143条 兵役は、法律の規定に従い、義務付られる。

ドイツ基本法
第12a条 [兵役義務と役務義務]
(1) 男子に対しては、満18歳から軍隊、連邦国境警備隊または民間防衛団における役務を義務として課すことができる。

大韓民国憲法
第39条
① すベて国民は、法律が定めるところにより、国防の義務を負う。
② 何人も、兵役義務の履行により、不利益な処遇を受けない。

永世中立国のスイスは兵役があり、拒否者には罰則があります。

スイス憲法
第59条 兵役及び代替役務 1 全てのスイス人男性は、兵役に従事する義務を負う。法律は、非軍事の代替役務につ いて定める。
2 スイス人女性については、兵役は、任意である。
3 兵役にも代替役務にも従事しないスイス人男性には、負担金が課される。当該負担金 は、連邦によって課され、州によって査定され、徴収される。―以下略―


徴兵制を施行している国は多い。アジアでは上記の韓国、北朝鮮、中国、カンボジア、マレーシア、タイ、ベトナム、シンガポール、ラオス、台湾、モンゴルです。兵役がない国の方が少数派だ。

欧米の先進国では徴兵制はなくなる方向だが、それでも、スイス、オーストリア、ギリシャ、デンマーク、フィンランド、ノルウエー、ロシア、中東ではイスラエル、―イスラエルは女性に同等だ、トルコ、イエメン、イラン、クエート、シリア、カタール、アラブ首長国連邦、など国連加盟国中63国が徴兵制を施行している。

来日する、アジアの男子が実に自信にあふれているのに比べ、日本男子がへなちょこな理由はこのあたりにありそうだ。それらを踏まえて再度、日本国憲法第3章を確認する。

日本国憲法
第3章 日本国民の権利及び義務
第10条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。…国籍法
第11条 日本国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第12条 この憲法が日本国民に保障する自由及び権利は、日本国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、日本国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第13条 日本国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する日本国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
第14条 日本国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
第15条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、日本国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
第16条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
第17条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。
第18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
第22条 日本国民は、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 日本国民は、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。…国籍法
第23条 学問の自由は、これを保障する。
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
第25条 日本国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
第26条 日本国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
第27条 日本国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。…労働基準法
3 児童は、これを酷使してはならない。
第28条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。…労働組合法
第29条 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
第30条 日本国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。…刑事訴訟法
第32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第33条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第34条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第35条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
第36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第39条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
第40条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

先に、文言訂正の提案では、人権の享有主体性を問題にして、第22条を検討した。一般的には第3章は人権カタログと呼ばれており、人権について規定している。ではそもそも人権とはどういった概念だろう?

基本的人権(Fundamental human rights)は人権(human rights)ないし、基本権(Fundamental rights)とも呼ばれ、信教の自由、言論の自由、職業選択の自由などの個別的人権を総称する言葉です。それでは、そもそも基本的人権とは何か、と問われるとその答えは簡単ではない。それは人権思想の歴史的変化、人権カタログの歴史的変遷、人権保障のあり方の相違などのために、人権概念がさまざまに理解されているからである。―芦部憲法

基本的人権が絶対的な概念ではなく、民族や宗教、地理、歴史などによって相違する、相対的流動的なものだということが理解できる。

人権宣言(権利宣言とも言う)の歴史を概観してみると、①国民権から人権へ、②自由権から社会権へ、③法律による保障から憲法による保障へ、④国内的保障から国際的保障へ、という大きな流れがあることがわかる。―芦部憲法

つまり人権は、国家が保障する国民の権利から、人類が共通に生まれながら論理的必然的に享有する権利になり、その内容は自由権を中心にした自由国家人権宣言から、それらを包含してより多くの保障を実現した社会権として、社会国家人権宣言に変遷した。これに伴い、法律の規定による人権保障という考え方を越えて、法律でも侵されてはならない、法律からの保障が一般化したと、いうことになる。

さらに国家間の武力や経済力、人権保障の格差が、国家間戦争や国内紛争の原因になりうるという、第二次世界大戦の反省から、国際平和への希求が国連の安全保障体制となり、1948年の世界人権宣言は、国際的人権保障の試みとなった。その後、社会権的規約と自由権規約として加盟国を拘束する条約として結実した。その他にも欧州人権条約や米州人権条約など地域的な人権保障制度も運用されている。

以上をふまえて、基本的人権を憲法との関係で定義すると、

基本的人権とは人間の尊厳性を維持するため、それに必要な一定の権利が当然に人間に固有するものであるということを前提として認め、そのように憲法以前に成立していると考えられる権利を憲法が実定的な法的権利として確認したもの、―芦部憲法

ということだ。一般的な人権の要件は、人権の固有性、不可侵性、普遍性だ。日本国憲法第3章は、人権の固有性(11条)、不可侵性(11条、97条)、普遍性(11条)などの要件を満たしているように思う。

もう一方、人権は、大別して自由権、参政権、社会権に分けることができます―芦部憲法。

日本国憲法を細分化すると、包括的基本権(13条)、法の下の平等(14条)、自由権、国務請求権、参政権、社会権になる。ここで注意を要するのは、分類の相対性ということだ。自由権は社会権的性格を有するものもあり、言論の自由権には営利的言論のように経済的自由権と精神的自由権、双方にまたがるものもある。また国家の関与を否定する、自由国家・消極国家思想を基礎とする自由権と、国家の積極的関与を広く認める、社会国家・積極国家の思想を前提とする、社会権は法的性質を異にする。 



人権は観察できる?

もう少し別の視点で考えよう。さて人権は科学的な事実なのか?先に「憲法以前に成立していると考えられる権利」の発見と説明したが、自然状態でもそれらがすでに成立しているということだ。人間生まれながらにして人権を持っている、それを憲法が可視化したとなる。

科学的という表現を定義すると、仮設と論理を使用して、その論理に共通性があり、観察できること、としよう。さて人権は科学的か?人権は少なくとも論理に共通性はあるように見えるが、観察することはでない。天文学者がハッブル宇宙望遠鏡で宇宙空間に人権の痕跡を発見した、とか、あるいは大型ハドロン衝突型加速器が人権の抽出に成功した、というニュースは聞かない。人権とは人類が造った概念、すなわち内在的な意味を持つ言語に過ぎないということだ 。

憲法や法律は、言語を使い解釈して、トラブルを調整する機能だ。不安定な言語で学問をしているのだが、一体どこで優劣をつけているのかが問題になる。法律を扱う人たちは東京大学法学部をトップにヒエラルキーを形成している。優は東京大学、劣はその他の大学になる。同じ試験で資格を取得したにもかかわらず、―公務員試験や司法試験、東大卒業は評価される。

あるテレビ番組で東京大学法学部卒業の女性弁護士が、「東大以外は専門学校」と発言したのを観ました。このように、東京大学法学部卒業以外は全く出世のできない、国家公務員などが、―例外はあるものの、局長や次官は東京大学法学部卒業だ、東京大学法学部で憲法を習うとき、教科書が、本稿でも引用している芦部憲法だ。司法試験に多くの合格者を輩出している伊藤塾のテキストでも多く引用されているのが、芦部憲法や、その芦部先生の師匠の、宮澤俊義先生の憲法テキストだ。

憲法学には学説の争いがある、と再三申し上げている。司法試験など両論併記の場合もあるかもしれないが、裁判の場合はそうはいかない。なんらかの司法判断をする場合には、それが憲法問題であれば、宮沢説、もしくは芦部憲法に依拠しなければならない。それらテキストに書かれていることが「正」もしくは「真」としなければならない。しかしそこで大きなミステイクがあるというのが私の主張なのだ。宮沢先生も芦部先生も、パーソンズの社会学の構造機能主義には触れたことがあると考えらるが、物理学の万物の理論(Theory of Everything)にはない。―確認してないが

宮沢説も芦部憲法の憲法学では権威だ。権威というのは、その人または機関や役職が「真」としたことが、正しいとする合意だ。どちらが正しいかは判断できないけれども、あの人がおっしゃるのだから正しい、と人々が同意している人または機関だ。ある意味裁判所も権威といえる。

人権のように事実として観察できない、―証拠がない、曖昧な人造物、―内在的言語を用いなければ、人間の尊厳が守れないくらい、現代の人間社会が愚かだということだ。人権の発展は鎧強化の歴史だ。天然自然でないもの、―つまり観察してあることを証明できない、を自然権と設定しなければならない、そんな程度の社会だということだ。もう一度、人権の定義をおさらいする。

基本的人権とは人間の尊厳性を維持するため、それに必要な一定の権利が当然に人間に固有するものであるということを前提として認め、そのように憲法以前に成立していると考えられる権利を憲法が実定的な法的権利として確認したもの、―芦部憲法

私はこれに異議をとなえ、以下のように再構築します。

基本的人権とは人間の尊厳性を維持するため、あるいは、人間社会の秩序にとって必要であることを共通認識として合意し、その合意が憲法によって成立していると考えられる権利を、実定的な法的権利として確認したもの。―中川解釈

つまり合意があれば、憲法で権利としての人権にできるということだ。あくまでも合意なので習俗として、発見できなければだめだが。皆さんが、校則の髪の毛の色についての規定がほしければ、

校則で髪の毛の色を制限してはならない。

などと書けばいいわけだ。

恋愛を禁止している、AKBグループの規則は明らかに違憲だ。年齢に関係なく恋愛の自由はあるわけだから。但し、未成年は、ある程度人権を制限できるということだが、それは婚姻についてと性行為についてで、恋愛について禁じることは、未成年にもできないだろう。秋元氏は、彼女らの親ではないのだから、そのような人権侵害はできない。―両親の場合は親権という、子供に対する擁護義務と権限があるので別だ。これは司法の稿で検討するが、具体的な争訟があれば、秋元氏の行為は違憲となり、その規定は違憲で無効という判断になるかもしれない。

このように、憲法上の人権を知ることは、皆さんの人生を実現するための強い味方になる。それを念頭に日本国憲法第3章を再検討しよう。構成も少し変えてわかり易くしする。

(改正案)
第3章 権利
第12条[国民の要件] 日本国民は、日本国籍を有するものとする。
第13条[権利の享有] 日本国民は、この憲法が日本国民に保障する基本的人権を等しく享有する。日本国民は、不断の努力によってこれらを保持し、それを濫用してはならない。また、その利用は公共の福祉のために行う責任を負う。
第14条[国民の権利] 次にあげる諸権利は、普遍の権利として、日本国民に保障する。個人として尊重され自由かつ幸福を追求すること。
2 むやみに生命を奪わず、健康で文化的な生活を営むこと。
3 平等であること。
4 人種、信条、性別、社会的身分又は出生により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないこと。
5 財産を自由に処分し、また不当に奪われないこと。
6 居住、移転及び職業選択の自由を侵されないこと。
7 外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されないこと。
8 拷問及び残虐な刑罰に処されないこと。
9 公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し請願すること。
第15条[制限される権利] 次にあげる諸権利は、法律で制限できる権利として日本国民に保障する。ただしその制限は公共の福祉に反しないものとする。公務員を選定し、及びこれを罷免すること。
2 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有すること。
3 等しく教育を受けること。
4 就労すること。
5 普通選挙を行うこと。
6 投票の秘密をまもること、また選択に関し責任を問はれないこと。
第16条[万人の権利] 次にあげる諸権利を万人の権利として、日本国民及び、できるだけ何人にも保障すること。損害の救済を請願すること。
2 奴隷的拘束も受けないこと。
3 損害が公務員のよる場合は、法律に定めるところにより、賠償を求めることができること。
4 犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられないこと。
5 思想及び良心の自由を侵してはならないこと。
6 信教の自由を保障すること。
7 宗教教育又は宗教的活動を強制されないこと。
8 教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されないこと。
9 集会、結社及び言論、出版その他の一切の表現の自由を保障すること。
10 検閲をしてはならないこと。
11 通信の秘密を侵してはならないこと。
12 学問の自由を保障すること。
13 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利を保障すること。
14 法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられないこと。
15 裁判所において裁判を受けること。
16 現行犯の場合を除いては、司法が発する、罪状令状によらなければ、逮捕されないこと。
17 理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されないこと。
18 正当な理由がなければ拘禁されないこと。
19 拘禁される場合には、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならないこと。
20 住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのないこと。ただし、捜索又は押収は、権限を有する司法が発する令状がある場合はこの限りではない。
21 拷問及び残虐な刑罰を禁ずること。
22 公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有すること。
23 刑事被告人は、証人に対して審問する機会を充分に与へられること。
24 公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有すること。
25 刑事被告人となったものは、資格を有する弁護人を依頼することができること。
26 被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附すること。
27 自己に不利益な供述を強要されないこと。
28 強制、拷問若しくは脅迫、あるいは不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は証拠とできないこと。 
29 自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられないこと。
30 実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれないこと。
31 同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれないこと。
32 抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、国に補償を求めることができること。
第17条[国及び公務員の禁止行為] 国及びその機関、又は公務員は、何人にも次の事項について、権力の行使又はその行為をしてはならない。宗教団体に、特権をあたえること。
2 政治的な活動をすること。
3 拷問及び残虐な刑罰を行うこと。

第4章 義務
第18条[国民の義務] 日本国民は次の義務を負う。選挙を行い投票すること。
2 諸権利を擁護すること。
3 不当な侵略的行為から国及び同胞を守ること。
第19条[国及び公務員の義務]国及び公務員は次の義務を負う。国民の財産を調整し、公共の福祉に反しない限り、自然環境を保全すること。
2 国及び公務員は、全体に奉仕すること。
第20条[万人の義務] 日本国民及び何人も次の義務を負う。就労すること。
2 納税すること。
3 国家の秩序を保ち、乱さないこと。

権利を法定化するためには、その秩序を擁護する義務を負うことは当然ではないだろうか。ブラジル国民もドイツ国民もその義務を負っている。ワールドカップに優勝するための資質なんだろうか?兵役のない日本の成績はしかるべきだ。ここまで20条でまとまった。しかし国民が固有に享有する権利より、外国人にも享有主体性が認められる権利が多いのには改めて驚きだ。

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20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

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貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。

リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま…

日本国憲法改正提案Ⅳ

―戦争って放棄すればなくなる?― 天声人語の強制は憲法違反 そのⅢまで如何だろう? 僕が受験生のころ、―昭和56〜57年、先生が「朝日新聞の天声人語を読んでおけ、必ず試験に出るからな。」これってすごいね。この次の稿では、権利について検討するが、この発言は明らかな権利侵害だ。ある特定の新聞のある特定の筆者が書いた私見を、そのまま疑いもしないで試験では正解として書け!ということなわけだから。当時は朝日新聞に書いてあることが、受験に出題される「正解」だったのだ。

自衛隊を否定すれば卒業! ある先生に、昭和40年代から50年代まで、大学の卒論で自衛隊の悪口を書けば、評価されたと来たことがある。もちろん、すべてではないだろうが、時代の雰囲気はそんな感じだったのだろう。受験生の僕のために、朝日新聞を購読していた、母親も見事に影響を受けて、いまでもそれは変わってない。

僕は、それはそれで仕方のないことだと思う。物事の良い悪いは、自らの経験や信仰、影響を受けた人や情報で判断する。ただ、事実や法律的な合法違法はあきらかなので、―これは司法の稿で説明するが、事実に基づく判断、法律に基づく判断は、国民として身につける必要はあるだろう。


なぜ男はだめなのか? 出来れば女性に読んでもらいたい。それは、―あくまでも僕、個人の経験だが、男はどうしょうもないから生きんのだと思う。男性全員が、そうだとはいわないが、―あくまでも、僕レベルの男性は、政治に興味がない。興味の方向はの女性だけに向いている。

何をするにも基準は「女性にもてたい」か「格好良いと思われたい」くらいだろう。音楽をやるのも、スポーツをやるもの仕事で出世するもの、究極の目的はそれ以外にない。天下りを斡旋して首になったどこかの省の次官が、次官になっても、キャバクラの特定の女性に入れあげたなんてのもそう、先生に反抗するのも究極、それしかない。だから男に憲法が…、と話してもなかなか興味はひかないと思う。

そういう僕も、Anarchy in the UK ―ちなみのコックニーではナナキーと発音します、を歌ったり、スターリンというバンドが好きだったりしましたので、あまり人のこといえないが…。若いうちと現在の考え方は変わって当然です。ですから今、こんな考え方もあるんだぁ〜、程度に読んでもらいたい。

では、女性はどうだろう。僕は女性…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

国家とはなにか

―言葉による混乱― 家族、社会、国 国家は、ヘーゲルの分類のよれば、家族や会社から構成される社会とは区別され、ウエーバーは正統性がある継承によって形成された一定の領域を暴力に関する権威・権限を行使する単独の主体(国家)と定義している。国家とは政府組織であり社会とは区別される。State の訳語として国家があてられているように、国家とは政府、議会、警察、官僚、裁判所などの機関を有する統治権力のことを指す。


国民、国家 人間は子孫を残すため家族をなし生活する。そのような家族が一定の習慣や宗教によってある領域内で集団となったものが共同体だ。そして多少の習慣や宗教的違いを包括した地域を「国」と呼ぶ。「国」の住人が「民族」であり、近代はこの集団=民族を統治する権力が組織され「国家」と呼んだわけだ。そして、民族は「国民」となったのである。日本語に State と Country や Nation を区別する言葉なないのは、憲法議論などを混乱させている要因の一つだろう。



領域、人民、権力 国際法で定義されている「国家」もその地域を統治する政治組織のことを指す。つまり内外に干渉されず国民を正統性のある統治機構のことを国家という。国際法では、領域、人民、権力の三要素が承認の条件ともなる。
ある程度以上確定された一定の領土を持つこと。国民が存在すること。統治機構を持ち実効的支配をしていること。 このように国家は強大な権力を有していなければならない。つまり外に対しては自衛力、うちに対しては秩序維持の警察力が国家の基本となることがわかるだろう。
国、天皇 我々の「国」は、国ヲ肇ルコト宏遠ニと教育勅語にあるように神武天皇が肇国した世界最古の「国」だ。天皇は「治らす」存在として祭政一致の統治者として政にあたり、明治維新によって近代的な君主となった。日本国は憲法以前に存在しているという事実は憲法が国の形に(その事実に)その権力を及ぼしてはいけないということだ。
社会、天皇 国家は社会と対峙する存在とまではいえないが社会に対し強制力がある。さらに国民の自由を拘束することができる。しかし憲法の規定により組織される政府は憲法を制定している、正統性を有する権威を否定出来ないしまた、それを変更できない。明治憲法における第1章天皇条項の1条から3条はそのことを明記した条文だ。

つまり天皇の身体を不可侵…

日本国憲法改正案条文の解説 第2章 権利

権利は外在的言語に過ぎないので獲得するのもである。 権利は鎧である 第2章は国民の権利だが、この章では、現行憲法より多くの人権を規定して国民の福祉向上に寄与しようとしている。権利カタログは条文ではなく、条項で列記しているのは大きな改正点だ。


第2章 権利
第15条[国民の要件]日本国民は、日本国籍を有するものとする。
あまりにも当然の規定なのだが、昨今二重国籍で問題になっている議員がいるように、この後の条文で議会議員要件は明確化したい。

次に権利の具体的規定だが、学説の争いをなくすために、日本国民の権利、制限できる権利、万人の権利に分けた。婚姻や選挙、教育、就労などの権利は公共の福祉の観点から年齢制限を課しているのでわけることにする。第17条は日本国民固有の権利として憲法がその擁護を宣言した。

日本国憲法改正案 第2章 権利
第17条[国民の権利]次にあげる基本権は、国民の権利として、日本国民に保障する。個人として尊重され自由かつ幸福を追求すること。
2 むやみに生命を奪わず、健康で文化的な生活を営むこと。
3 平等であること。
4 人種、信条、性別、社会的身分又は出生により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないこと。
5 財産を自由に処分し、また不当に奪われないこと。
6 居住、移転及び職業選択の自由を侵されないこと。
7 外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されないこと。
8 拷問及び残虐な刑罰に処されないこと。
9 公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し請願すること。

日本国憲法の諸テキストを読んでも、人権に関する解説に重点を置いている。私は人権に関して、米国的な自然権思想よりは仏国的な行政権の抑止的な立場に立っている。それは英国的な国民の権利と親和性が高いが、あくまでも人造の鎧のようなイメージを持ってる。

個々人が武装して個々人のバランスオブパワーによる、社会秩序の維持を目的としている、自然権的人権思想は、やはり米国的といえる。ところが第二次大戦において、独国が行った人権侵害は、欧州において、議会による人権保護から法律からの保障という、新しい次元の人権に昇華した。現在の日本は国際人権規約を批准しているので、憲法はその規約を誠実に尊守する必要がある。

いずれにせよ、欧米の人権思想の奥には…

日本国憲法改正案条文の解説 ―第4章 立法権

二院制の必要ある? 二院制は基本的に王国で貴族などの制度があるときに、貴族院と庶民院、ー英国、もしくは連邦制国家が国民代表と各自治体の代表、―独国や米国、というようなときに必要とされる。北欧諸国が王政の制限と平等原理の徹底によって、二院制から一院制への移行をしているように、日本国も天皇の権限の制限と貴族制の廃止は、一院制の十分条件である。


第4章は立法権を規定している章である。冒頭説明したが、現行憲法の二院制はGHQ案では一院制であった。

Article XLI. The Diet shall consist of one House of elected representatives with a membership of not less than 300 nor more than 500.


GHQ案が手交されたのち、日本政府下で、憲法改正を議論したのは憲法問題調査委員会だ。その議事で、「二院制を維持すべきであるが、従来の貴族院の権限に制限を加え、その構成を民主的なものに改めるべきだ、との意見が支配的であった」、「その名称についても、「上院」「第二院」「元老院」「特議院」「審議院」「参議院」など様々な案が出されたが、「参議院アタリガ無難」だということになった」という。
GHQ民政局が起草した案は「日本の政治の発達状況をみても、簡明性という点からも、一院制を提案するのがよいとの結論に達した。」としているが、これは、貴族制度が廃止されること(マッカーサーノート)、日本は連邦国家でないこと、第一院と第二院の間の争いが生じるおそれがあることなどの理由によるものであったとして、非常に理にかなっている。

参議院の設置理念を金森徳次郎国務大臣は、「衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにある」とした。この理念は現在、踏みにじられている。障害のある子供をほったらかして、市会議員と一線を越えないまでも、ベッドをともにして開き直ってる議員、二重国籍が確定しても、努力義務なのでと、戸籍を公表して居座る議員、そのほか議員資格に???が付く参議院議員が多い。

原点に返って一院制にすることが最初の目的である。また議会の権限と権能を規定すること。特に現行憲法には全く規定のない貨幣造幣権や度量衡、暦、徴税権、軍の編成権など権限、総理大臣の指名、…

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第4章

第4章は連邦に対する規定だ。合衆国憲法の規定を読んでいると気がつくことがある。それは防衛という言葉がかなり使われている。独立をして間もなく軍隊もない小さな州政府が自らの自治をある程度制限しても、連邦を組織した理由は国土と国家体制をなんとか護りたいという切なる願いのような気がする。それが合衆国憲法を制定した国民意志なのだろう。


第4章[連邦条項]

第1条[十分な信頼と信用条項]

各々の州は、他のすべての州の一般法律、記録および司法手続に対して、十分な信頼と信用を与えなけ ればならない。連邦議会は、一般的な法律により、これらの法律、記録および司法手続を証明する方法な らびにその効果につき、規定することができる。

第2条[市民権条項、逃亡犯罪人・奴隷の引渡し条項]

[第1項] 各々の州の市民は、他州において、その州の市民が享有するすべての特権および免除を等し く享有する権利を有する。

[第2項] いずれかの州において反逆罪、重罪その他の犯罪につき告発された者が、裁判を逃れて他州 で発見された場合には、その逃亡した州の執行部の要求があれば、当該犯罪につき裁判権を有する州に移送するために、この者を引き渡さなければならない。

[第3項] 1 州において、その州の法律によって役務または労務に服する義務のある者は、他州に逃亡 しても、その州の法律または規則によってかかる役務または労務から解放されるものではなく、当該役務 または労務を提供されるべき当事者からの請求があれば、引き渡されなければならない。[修正第13 条で改正]

第3条[新州および連邦財産条項]

[第1項] 連邦議会は、新しい州がこの連邦へ加入することを認めることができる。但し、連邦議会お よび関係する州の立法部の同意なしに、既存の州の領域内に新州を形成し、または2 つ以上の州もしくは その一部を合併して1 つの州を形成することはできない。

[第2項] 連邦議会は、合衆国に属する領有地その他の財産を処分し、これに関する必要ないっさいの 準則および規則を定める権限を有する。この憲法中のいかなる規定も、合衆国または特定の州の請求権を 損なうように解釈されてはならない。

第4条[共和政体条項]

合衆国は、この連邦内のすべての州に対し共和政体を保障し、侵略に対し各州を防衛する。合衆国は、 州の立法部または(立法部が集会できない…