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日本国憲法改正提案Ⅲ


―天皇畏るべし!―

戦前も敗戦後も天皇は天皇だった

Ⅱでは前文について検討致した。本稿は第1章 天皇だ。その前に憲法の改正について少しだけ確認したいと思う。憲法の制定や改正には制憲権、憲法を制定する権力が必要で、それは、国民主権では国民であり国民意思だ。だから立法権や、行政権、司法権といった憲法上の権力には憲法をつくる権力もかえる権力もないという考え方だ。

ノーマ・ジーン・ベイカー
日本国憲法では、
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

条文は、国会に改正の権限を付与している。国民投票という手続きは制憲権への承認行為といえる。国会が僕たち国民に「このように致しますが如何でしょうか?」ということだ。普段偉そうな議員も選挙のときと、このときばかりは低姿勢だ。( ´艸`)

このような憲法典に制度化された憲法の改正権を「制度化された改正権」―芦部憲法

という。国民主権では、制定も改正も国民意思が重要だ。それをふまえて再度、前文を読むと主語の「日本国民は」は一人称なのか三人称なのか、あいまいでわからない。めらめらと燃え上がる強い意思で「民主政府樹立のため、憲法を制定するぞオオオォォォ-」と宣言するのであれば、「我々は」もしくは「我々日本国民は」としたいところだ。

天皇の権能

さて本論です。第1章は天皇だ。マッカーサー3原則では、Ⅰで天皇は元首となっていた。ところが日本国憲法ではそのような記述がない。

日本国憲法
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

影響を受けたといわれている憲法草案要綱では、

憲法草案要綱
一、日本国ノ統治権ハ日本国民ヨリ発ス
一、天皇ハ国政ヲ親ラセス国政ノ一切ノ最高責任者ハ内閣トス
一、天皇ハ国民ノ委任ニヨリ専ラ国家的儀礼ヲ司ル
一、天皇ノ即位ハ議会ノ承認ヲ経ルモノトス
一、摂政ヲ置クハ議会ノ議決ニヨル

大日本国憲法は、

大日本国憲法
第1条 大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス

天皇の地位は神勅に基づく不変の地位から、国民の総意に基づく可変的な地位へ変わりました。―芦部憲法

天皇は可変か不変か

私はここで天皇の地位は不変でなえればならない、ということを提案したい。提案というよりは不変でなければならないことを証明したい、という気持ちなのだ。例えば、天皇地位が不変なのは、「すべての有理数体上に定義された楕円曲線はモジュラーである」と同義である、というふうにできればいいののだが…。

この条文が改正できれば、9条などの他の条文はどうでもいいといっても過言ではない。つまり、日本国をリセットしたい勢力は、―ベルばらでオスカルと敵対した勢力、天皇を合法的に退位か廃位にしたいので、この可変条項は是が非でも残したいだろう。

日本国が敗戦後、すぐに日本に駐留した、アメリカ人ジャーナリストはマッカーサーに阿る日本人をみて、「殺すのにも費用がかかる」と唾棄した。また、日本人と同じく、ソ連に連行されたドイツ人は、スターリンに阿る日本人に失望して、その後はソ連人以上に侮蔑しました。―昭和の戦争記念館

戦後の日本人はそういった誇りをいっさいかなぐり捨てて国際社会に復帰をした。しかし、思い起こせば、明治時代にも公用語を日本語から英語にしてしまえ、ということを本気でいっていた大臣もいたから、そういう阿りは、―忖度か、日本人の特徴なのかもしれない。

皆さんの周りにも伝統ってあるよね。悪い伝統なら自分の代で断ち切ってもいいだろうが、よい伝統は連綿と後輩にもつなげなければ先輩に申し訳ない、という気持ちになるものだ。それは自分の考えというよりは、先輩たちへの敬意ではないだろうか。

同様に、過去の人が大切にしていた価値を現代的な価値観で評価していいだろうか?先日無念にも病死された小林麻央さんと、市川海老蔵さんのご長男、勸玄くんには基本的人権である職業選択の自由がない。ご本人が教師になりたいとか、政治家になりたいということはお家柄から許されない。勸玄くんがそのように人権をたてに成田屋の名代は継承しないといったら、「勸玄くんにも人権はある、それは当たり前のことだ」、などと世論は評価しないだろう。伝統は現代的な価値で評価できないものだ。

私は天皇の地位も同様でなないかと考えている。長き淘汰を経て、いまもなお残っている制度などを、英国の政治家エドマンド・バークはprescriptive Constitution 時効の国体といった。それらを軽々しく変更しない、さらに国民はそれを擁護しなければならないと看過した。私はバークのその考え方に同意する。

そんな伝統を軽々しく捨てて、アメリカ人にまで侮蔑されてしまった日本人だが、なぜ現在でもある程度の地位を国際社会は与えているのだろう?経済大国としての地位もそうだが、軍事的には全くの無力なのにです。戦争を放棄したからだろうか?

答えは天皇だ。結果的に天皇は敗戦前も敗戦後も変りなく天皇だった。これは世界に類を見ない奇跡だ。敗戦国の君主は処刑かもしくは廃位だ。そしてその国は共和国として再スタートいうのが一般的だろう。革命なら間違いなく処刑だ。―ルイ16世とマリーアントワネット。最近ではルーマニアのチャウシェスクも

ローマ法王との謁見ではアメリカ大統領も入れない部屋で親しく謁見をした。ローマ法王のより古い世界最古の君主、―祭祀といった方がわかり易い、ローマ法王も祭祀だから、に対する礼儀だ。

進駐軍のマッカーサーは礼服の昭和天皇と平服の自身のツーショット写真を公開して、その権力を誇示した。敗戦から30年後、その戦勝国の大統領をアメリカに訪問したとき、最高礼装でお迎え頂いた。ローマ法王にも、アメリカ大統領にとっても、日本国天皇は歴史的最高権威なのだ。

もし、日本国が共和国となって、大統領が選挙されても、他の共和国より遅れてできた、へなちょこ共和国でしかない。しかも紛争の解決能力のない、国際社会になにも貢献できない、―お金だけはだせるかもしれないが…、尊敬はされませんよね、ちっちゃな共和国1年生だから。だから天皇は不変でなければならないのだ。

たとええば、皆さんが、友人がトラブっていて、助けを求めてきていて、なんとかしようと汗を流して苦労しているとしましょう。そこに少しお金もちがきて、札束を投げて「私は憲法の規定で一緒に汗は流せないから、お金は払うよ」といったらどうでしょう。ありがたいとは思いますが、尊敬はしませんよね。それが日本です。

第1章には学説の争いもある。それは、

日本国憲法
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

以下国事行為が列記され、その行為以外を行わない、

日本国憲法
第4条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

列記されていること以外を行ってはいけないということだが、「国会の開会式でおことばを述べる行為」は憲法に記述はないが、開会式でおことばを述べている。この行為は違憲でだろうか?

これには二分説、三分説という学説論争があります。―事例から学ぶ日本国憲法、憲法に規定はなのだが、学説でそれらを合憲解釈しているともいえる。

なぜそのような「厳密」でないことを行っているのか。憲法で規定してしまったことによって、憲法改正のハードルが高いため、簡単に付け加えや削除ができないからだ。であるならば、憲法の規定から外して、変更が憲法より容易な法律で行為を規定すればいいのではないだろうか。

また天皇が君主か元首かということも明確ではない。君主の標識は①独任機関であること、②その地位が世襲であること③統治権の担い手であること、④対外的に国を代表する地位・権限をもつことです。―事例から学ぶ日本国憲法

大日本国憲法では天皇は明確に元首だった。日本国憲法では①②の要件は満たしているで、君主といえるが、③④は欠いている。マッカーサー3原則は元首を指示していた。国民主権では統治権も国民に由来する権限であるというのが建前だ。君主制である英国の国王は「君臨すれども統治せず」といわている。国王は国家元首であり、広大な権限を付与されているが、それらの権限を行使しないことが慣例となっている。

改正は学説の争いをなくすことも目的の一つにしている。天皇は国家元首とするが、その権限の行使には憲法で制限をする。特に立憲君主の一つの要件である拒否権は認めない。

(改正案)
第1条 天皇は、日本国の元首であり、日本国民統合の象徴であつて、日本国民統治の正統な権威である。この地位は、過去、現在及び未来も変わらない。
第4条 天皇は、国政に関する権能を有しない。
第7条 天皇は、総理大臣及び国務大臣の助言と承認により、国民のために、国事行為ならびに公的行為を行ふ。
2 国事行為ならびに公的行為については別途法律で定める。

補足
改正される文言の意味については事前に説明しているが、「日本国民統治の正統な権威である。」だけ抜けてたので補足する。

以下の問いを考えてみよう。

日本国は他国の攻撃をうけ自衛権を発動し応戦したが、核ミサイル攻撃を受け、これ以上の国民の死傷を懸念して自衛隊は降伏、日本国総理大臣は共和国化を約束して講和した。それに納得ができない一部の国民は天皇陛と三種の神器を奉護して、ハワイに亡命政府を樹立した。

さて日本国政府の正統性は共和国政府にあるだろうか。それとも亡命政府にあるだろうか。皆さん、如何?

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II War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection.

No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.

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第42条 安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

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TPPと慰安婦問題 平成23年11月17日、李明博大統領が来日したが、第一声で慰安婦問題の解決に言及した。これは韓国の憲法裁判所が今年8月に「賠償請求の具体的措置を政府がとってこなかったのは違憲」とする判断を出した事による。これらの賠償に関する諸問題はすでに日韓条約締結時に「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」となっているにもかかわらずだ。

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近代思想において国家は、たとえ国民がひとりでも、国民意志があれば形成することができるとされる。しかしそれは利己的な個人意志ではない。五箇条の御誓文で公論と示された、意志を国民主権では民意というのであって、それがなければ近代国家は存在しないのである。さらにその意志は個々人の中にある不条理で熱い志であり、それを顕現しあるいは不当な隷属の強要から擁護されなければならないと考えている。

そして近代における憲法はその国家を統治する権力を制限するために制定するものであり、国民から政治権力への手紙であり、もっと強く表現すれば命令書として機能するのもである。よって国民が必ずしも従うべきものではないという性質のものである。
統治体というのは国際的には近代国民国家が国際関係を維持するため、またはその関係が破綻した場合に起きる紛争を解決したり、戦争を遂行し条約を締結するための代表府である。同時に国内においては共同体秩序を維持発展させるために制度や法律を制定する立法府、制定された法律をもとにそれを執行する行政府、そして行政が正しい手続きで行われているかを監視したりあるいは手続きの瑕疵を判断する裁判所などの組織のことである。

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アメリカ合衆国憲法(日本語訳)
前文
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国際関係論で論じられる理想主義

―リベラリズムー 誤解されるリベラリズム リベラリズムほど解釈が多様にある言葉はないと思う。日本語では自由主義と訳される場合が多いのだが、昨今では自由主義とリベラリズムは対立する政治姿勢ともいえる。よって自由主義をリバタリアニズムと呼ぶのが一般的になりつつある。本稿の場合はリベラリズムを社会自由主義的な用法、ようするに国際関係論で論じられる理想主義として論じることにする。




20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)は大戦のような悲惨な戦闘を二度と繰り返さないために交戦国、非交戦国も含めて63カ国が署名した。目的は戦争の違法化、特に侵攻戦争の違法化を目指したが、最終的には侵攻戦争を非難するにとどまった。




貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。

リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま…

日本国憲法改正提案Ⅳ

―戦争って放棄すればなくなる?― 天声人語の強制は憲法違反 そのⅢまで如何だろう? 僕が受験生のころ、―昭和56〜57年、先生が「朝日新聞の天声人語を読んでおけ、必ず試験に出るからな。」これってすごいね。この次の稿では、権利について検討するが、この発言は明らかな権利侵害だ。ある特定の新聞のある特定の筆者が書いた私見を、そのまま疑いもしないで試験では正解として書け!ということなわけだから。当時は朝日新聞に書いてあることが、受験に出題される「正解」だったのだ。

自衛隊を否定すれば卒業! ある先生に、昭和40年代から50年代まで、大学の卒論で自衛隊の悪口を書けば、評価されたと来たことがある。もちろん、すべてではないだろうが、時代の雰囲気はそんな感じだったのだろう。受験生の僕のために、朝日新聞を購読していた、母親も見事に影響を受けて、いまでもそれは変わってない。

僕は、それはそれで仕方のないことだと思う。物事の良い悪いは、自らの経験や信仰、影響を受けた人や情報で判断する。ただ、事実や法律的な合法違法はあきらかなので、―これは司法の稿で説明するが、事実に基づく判断、法律に基づく判断は、国民として身につける必要はあるだろう。


なぜ男はだめなのか? 出来れば女性に読んでもらいたい。それは、―あくまでも僕、個人の経験だが、男はどうしょうもないから生きんのだと思う。男性全員が、そうだとはいわないが、―あくまでも、僕レベルの男性は、政治に興味がない。興味の方向はの女性だけに向いている。

何をするにも基準は「女性にもてたい」か「格好良いと思われたい」くらいだろう。音楽をやるのも、スポーツをやるもの仕事で出世するもの、究極の目的はそれ以外にない。天下りを斡旋して首になったどこかの省の次官が、次官になっても、キャバクラの特定の女性に入れあげたなんてのもそう、先生に反抗するのも究極、それしかない。だから男に憲法が…、と話してもなかなか興味はひかないと思う。

そういう僕も、Anarchy in the UK ―ちなみのコックニーではナナキーと発音します、を歌ったり、スターリンというバンドが好きだったりしましたので、あまり人のこといえないが…。若いうちと現在の考え方は変わって当然です。ですから今、こんな考え方もあるんだぁ〜、程度に読んでもらいたい。

では、女性はどうだろう。僕は女性…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

国家とはなにか

―言葉による混乱― 家族、社会、国 国家は、ヘーゲルの分類のよれば、家族や会社から構成される社会とは区別され、ウエーバーは正統性がある継承によって形成された一定の領域を暴力に関する権威・権限を行使する単独の主体(国家)と定義している。国家とは政府組織であり社会とは区別される。State の訳語として国家があてられているように、国家とは政府、議会、警察、官僚、裁判所などの機関を有する統治権力のことを指す。


国民、国家 人間は子孫を残すため家族をなし生活する。そのような家族が一定の習慣や宗教によってある領域内で集団となったものが共同体だ。そして多少の習慣や宗教的違いを包括した地域を「国」と呼ぶ。「国」の住人が「民族」であり、近代はこの集団=民族を統治する権力が組織され「国家」と呼んだわけだ。そして、民族は「国民」となったのである。日本語に State と Country や Nation を区別する言葉なないのは、憲法議論などを混乱させている要因の一つだろう。



領域、人民、権力 国際法で定義されている「国家」もその地域を統治する政治組織のことを指す。つまり内外に干渉されず国民を正統性のある統治機構のことを国家という。国際法では、領域、人民、権力の三要素が承認の条件ともなる。
ある程度以上確定された一定の領土を持つこと。国民が存在すること。統治機構を持ち実効的支配をしていること。 このように国家は強大な権力を有していなければならない。つまり外に対しては自衛力、うちに対しては秩序維持の警察力が国家の基本となることがわかるだろう。
国、天皇 我々の「国」は、国ヲ肇ルコト宏遠ニと教育勅語にあるように神武天皇が肇国した世界最古の「国」だ。天皇は「治らす」存在として祭政一致の統治者として政にあたり、明治維新によって近代的な君主となった。日本国は憲法以前に存在しているという事実は憲法が国の形に(その事実に)その権力を及ぼしてはいけないということだ。
社会、天皇 国家は社会と対峙する存在とまではいえないが社会に対し強制力がある。さらに国民の自由を拘束することができる。しかし憲法の規定により組織される政府は憲法を制定している、正統性を有する権威を否定出来ないしまた、それを変更できない。明治憲法における第1章天皇条項の1条から3条はそのことを明記した条文だ。

つまり天皇の身体を不可侵…

日本国憲法改正案条文の解説 第2章 権利

権利は外在的言語に過ぎないので獲得するのもである。 権利は鎧である 第2章は国民の権利だが、この章では、現行憲法より多くの人権を規定して国民の福祉向上に寄与しようとしている。権利カタログは条文ではなく、条項で列記しているのは大きな改正点だ。


第2章 権利
第15条[国民の要件]日本国民は、日本国籍を有するものとする。
あまりにも当然の規定なのだが、昨今二重国籍で問題になっている議員がいるように、この後の条文で議会議員要件は明確化したい。

次に権利の具体的規定だが、学説の争いをなくすために、日本国民の権利、制限できる権利、万人の権利に分けた。婚姻や選挙、教育、就労などの権利は公共の福祉の観点から年齢制限を課しているのでわけることにする。第17条は日本国民固有の権利として憲法がその擁護を宣言した。

日本国憲法改正案 第2章 権利
第17条[国民の権利]次にあげる基本権は、国民の権利として、日本国民に保障する。個人として尊重され自由かつ幸福を追求すること。
2 むやみに生命を奪わず、健康で文化的な生活を営むこと。
3 平等であること。
4 人種、信条、性別、社会的身分又は出生により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないこと。
5 財産を自由に処分し、また不当に奪われないこと。
6 居住、移転及び職業選択の自由を侵されないこと。
7 外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されないこと。
8 拷問及び残虐な刑罰に処されないこと。
9 公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し請願すること。

日本国憲法の諸テキストを読んでも、人権に関する解説に重点を置いている。私は人権に関して、米国的な自然権思想よりは仏国的な行政権の抑止的な立場に立っている。それは英国的な国民の権利と親和性が高いが、あくまでも人造の鎧のようなイメージを持ってる。

個々人が武装して個々人のバランスオブパワーによる、社会秩序の維持を目的としている、自然権的人権思想は、やはり米国的といえる。ところが第二次大戦において、独国が行った人権侵害は、欧州において、議会による人権保護から法律からの保障という、新しい次元の人権に昇華した。現在の日本は国際人権規約を批准しているので、憲法はその規約を誠実に尊守する必要がある。

いずれにせよ、欧米の人権思想の奥には…

日本国憲法改正案条文の解説 ―第4章 立法権

二院制の必要ある? 二院制は基本的に王国で貴族などの制度があるときに、貴族院と庶民院、ー英国、もしくは連邦制国家が国民代表と各自治体の代表、―独国や米国、というようなときに必要とされる。北欧諸国が王政の制限と平等原理の徹底によって、二院制から一院制への移行をしているように、日本国も天皇の権限の制限と貴族制の廃止は、一院制の十分条件である。


第4章は立法権を規定している章である。冒頭説明したが、現行憲法の二院制はGHQ案では一院制であった。

Article XLI. The Diet shall consist of one House of elected representatives with a membership of not less than 300 nor more than 500.


GHQ案が手交されたのち、日本政府下で、憲法改正を議論したのは憲法問題調査委員会だ。その議事で、「二院制を維持すべきであるが、従来の貴族院の権限に制限を加え、その構成を民主的なものに改めるべきだ、との意見が支配的であった」、「その名称についても、「上院」「第二院」「元老院」「特議院」「審議院」「参議院」など様々な案が出されたが、「参議院アタリガ無難」だということになった」という。
GHQ民政局が起草した案は「日本の政治の発達状況をみても、簡明性という点からも、一院制を提案するのがよいとの結論に達した。」としているが、これは、貴族制度が廃止されること(マッカーサーノート)、日本は連邦国家でないこと、第一院と第二院の間の争いが生じるおそれがあることなどの理由によるものであったとして、非常に理にかなっている。

参議院の設置理念を金森徳次郎国務大臣は、「衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにある」とした。この理念は現在、踏みにじられている。障害のある子供をほったらかして、市会議員と一線を越えないまでも、ベッドをともにして開き直ってる議員、二重国籍が確定しても、努力義務なのでと、戸籍を公表して居座る議員、そのほか議員資格に???が付く参議院議員が多い。

原点に返って一院制にすることが最初の目的である。また議会の権限と権能を規定すること。特に現行憲法には全く規定のない貨幣造幣権や度量衡、暦、徴税権、軍の編成権など権限、総理大臣の指名、…

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第4章

第4章は連邦に対する規定だ。合衆国憲法の規定を読んでいると気がつくことがある。それは防衛という言葉がかなり使われている。独立をして間もなく軍隊もない小さな州政府が自らの自治をある程度制限しても、連邦を組織した理由は国土と国家体制をなんとか護りたいという切なる願いのような気がする。それが合衆国憲法を制定した国民意志なのだろう。


第4章[連邦条項]

第1条[十分な信頼と信用条項]

各々の州は、他のすべての州の一般法律、記録および司法手続に対して、十分な信頼と信用を与えなけ ればならない。連邦議会は、一般的な法律により、これらの法律、記録および司法手続を証明する方法な らびにその効果につき、規定することができる。

第2条[市民権条項、逃亡犯罪人・奴隷の引渡し条項]

[第1項] 各々の州の市民は、他州において、その州の市民が享有するすべての特権および免除を等し く享有する権利を有する。

[第2項] いずれかの州において反逆罪、重罪その他の犯罪につき告発された者が、裁判を逃れて他州 で発見された場合には、その逃亡した州の執行部の要求があれば、当該犯罪につき裁判権を有する州に移送するために、この者を引き渡さなければならない。

[第3項] 1 州において、その州の法律によって役務または労務に服する義務のある者は、他州に逃亡 しても、その州の法律または規則によってかかる役務または労務から解放されるものではなく、当該役務 または労務を提供されるべき当事者からの請求があれば、引き渡されなければならない。[修正第13 条で改正]

第3条[新州および連邦財産条項]

[第1項] 連邦議会は、新しい州がこの連邦へ加入することを認めることができる。但し、連邦議会お よび関係する州の立法部の同意なしに、既存の州の領域内に新州を形成し、または2 つ以上の州もしくは その一部を合併して1 つの州を形成することはできない。

[第2項] 連邦議会は、合衆国に属する領有地その他の財産を処分し、これに関する必要ないっさいの 準則および規則を定める権限を有する。この憲法中のいかなる規定も、合衆国または特定の州の請求権を 損なうように解釈されてはならない。

第4条[共和政体条項]

合衆国は、この連邦内のすべての州に対し共和政体を保障し、侵略に対し各州を防衛する。合衆国は、 州の立法部または(立法部が集会できない…