日中韓2000年の真実 ―なぜ歴史のウソがまかり通るのか~ 拳骨拓史著

友人であり、故名越二荒之助にともに薫陶を頂いた拳骨拓史氏の単著三作目になる力作である。內容は痛快、驚愕、唖然の日中韓史が満載で少ない紙面では伝えきれないのでぜひ読んでほしい。そこで少し私と氏との交流史を書き留めておきたい。

平成7年頃、名越二荒之助先生のスライドによる講演を拝聴する機会があり、そこで語られる日韓史や大東亜戦争史、明治維新はそれまで私が読み聞きしていたものとは大きく違っていた。知られざる朝鮮人や支那人と日本人の交流や美談があり、まさしく目からウロコというのはこういうことかと感動ばかりであった。

平成15年頃より名越先生は明治維新や日露戦争、大東亜戦争の偉人たちが眠る墓地をバスで巡る移動塾を始められた。青山墓地や多磨霊園などをめぐってそこに眠る偉人のお墓に参ってその功績を回想するのである。私たちは剣道教室の子供達を連れて参加していたが、慶応大学在学中の拳骨氏は案内係兼解説係であった。誰のお墓がどこにありそれがどんな人かを子供達に懇切丁寧に説明をしていたことを鮮明に記憶いしている。とにかくすさましい記憶力であった。別のツアーでは文天祥や藤田東湖、吉田松陰、広瀬武夫がつくった正気の歌(せいきのうた)を中国史が専攻であった氏が日本語訳をつけていたこともあった。

名越二荒之助先生の歴史への視点は常にパノラマであり優しさに満ち溢れていた。プリズムのように多面で観察し考え論じることであった。日本が悪いだの正義はあっただのという善悪論ではなく、それぞれにそれぞれの立場があり、国や家族のため死力を尽くしたドラマであったという歴史視点で捉えるという大らかな歴史観である。その薫陶を受け衣鉢を継ぐ直弟子が拳骨拓史氏である。

日中韓2000年の真実 ~なぜ歴史のウソがまかり通るのか~ (扶桑社新書)
いつも歴史認識の問題が政治問題化する日本と中国と韓国。本書は戦後教育の中で正しく伝えられて来なかった古代から現代までの日本と中国・韓国の3カ国間の歴史の真実を論じる本。併せて、現在進行中で解決の目途がたっていない尖閣諸島・竹島の領土問題の経緯も紹介する。日本の歴史を否定したがる中国・韓国に対し正しく反論するための知識が得られる一冊。渡部昇一氏推薦。受容文化から戦争責任、そして領土問題まで日本の歴史を否定したがる中国・韓国に対し正しく反論するための知識が得られる一冊。

<目次>
第一章 古代日本のウソ
自国の歴史に無知な韓国人/韓国を建国した日本人/日本は古代、韓国を凌駕していた/日韓ほぼ同時にはじまった鉄器の利用
第二章 受容文化国のウソ
中国が驚嘆した日本の工芸品/朝鮮が日本から学ぼうとした産業/思想面からの中国を凌駕した日本/中国に伝承した日本の武術/朝貢使だった朝鮮通信使…
第三章 戦争責任のウソ
中国が進める海洋覇権戦略/侵略される沖縄本島と真珠の首飾り戦略/中国が負けを認めた文禄・慶長の役/白村江の戦い~中国を誘致した末路~
第四章 領土問題のウソ
石油発見で始まった中国の主張/尖閣諸島の台湾帰属論/竹島問題は鬱陵島の帰属問題/沖ノ鳥島の危機/中国の最大の脅威にさらされる沖縄
第五章 日中韓、忘れ得ぬ人々
日韓のかけ橋~李王朝最後の皇太子妃~/中韓のリーダーたちは知日派/流転の王妃、愛新覚羅浩

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