アメリカの新戦略 ―TPPはアメリカのエネルギー戦略でもある
東アジア会議でオバマ大統領が、中国人民解放軍の南シナ海での軍事的プレゼンスに警告し、各国首脳がそれを支持、温家宝首相が火消しに回るというこれまでとは違う光景を見て、あらためてアメリカの対中戦略が大きく「包囲」へ転換したことは明らかだ。
人民解放軍はかねてから通常兵力ではまったくアメリカに歯がたたないことを熟知しいる。「通常兵力で攻撃を受けた場合は核で反撃する」と警告しており、サイバーアタック、衛星攻撃などアメリカの通常兵力の指揮中枢への電子戦を強化していた。
南シナ海においては「核心的利益」を宣言して東南アジア各国と領土問題を発生させている。中国にとっても南シナ海はエネルギー戦略の要であることはかわりない。中国の経済発展はシーレーンの安全航行にかかっているといっても過言ではない。
アメリカは中国に依存しきっている生産拠点をTPP締結国へ移行する計画だろう。それらの国へ投資を強化した場合、南シナ海は資源の供給シーレーンとなる。オーストラリアへの海兵隊駐留はそれへの布石であることは間違いない。
もう一方、オーストラリアは希少金属輸出国でもあり、リオ・テント、BHPビリトンの多国籍企業を有している。近年中国はエネルギー資源確保にオーストラリアとの関係を強化していたが、オーストラリア政府はTPP交渉への参加、海兵隊の駐留とアメリカとの関係を強化する方向に転換したといえる。
このようにTPPは政治的意味と共に、単なる商業的な経済連携ではなく、軍的なプレゼンスを含む、エネルギー資源政策という3つの側面を考えなければならない。アメリカは投資だけでなく資源においてもブロック化を図っており、シーレーン防衛をアメリカに依存してる我が国は米中衝突を視野に入れた外交判断をしなければならない。
豪州に米海兵隊駐留へ 対中牽制強化
人民解放軍はかねてから通常兵力ではまったくアメリカに歯がたたないことを熟知しいる。「通常兵力で攻撃を受けた場合は核で反撃する」と警告しており、サイバーアタック、衛星攻撃などアメリカの通常兵力の指揮中枢への電子戦を強化していた。
南シナ海においては「核心的利益」を宣言して東南アジア各国と領土問題を発生させている。中国にとっても南シナ海はエネルギー戦略の要であることはかわりない。中国の経済発展はシーレーンの安全航行にかかっているといっても過言ではない。
アメリカは中国に依存しきっている生産拠点をTPP締結国へ移行する計画だろう。それらの国へ投資を強化した場合、南シナ海は資源の供給シーレーンとなる。オーストラリアへの海兵隊駐留はそれへの布石であることは間違いない。
もう一方、オーストラリアは希少金属輸出国でもあり、リオ・テント、BHPビリトンの多国籍企業を有している。近年中国はエネルギー資源確保にオーストラリアとの関係を強化していたが、オーストラリア政府はTPP交渉への参加、海兵隊の駐留とアメリカとの関係を強化する方向に転換したといえる。
このようにTPPは政治的意味と共に、単なる商業的な経済連携ではなく、軍的なプレゼンスを含む、エネルギー資源政策という3つの側面を考えなければならない。アメリカは投資だけでなく資源においてもブロック化を図っており、シーレーン防衛をアメリカに依存してる我が国は米中衝突を視野に入れた外交判断をしなければならない。
豪州に米海兵隊駐留へ 対中牽制強化
【ワシントン支局】オバマ米大統領とオーストラリアのギラード首相は16日、キャンベラで会談し、豪州北部ダーウィンに新たに米海兵隊を駐留させることで合意した。来年半ばに第一陣の一個中隊約250人を展開。将来的に最大約2500人まで拡大する。オバマ大統領は会談後の記者会見で「米国がアジア太平洋地域への関与を強化していることを明らかにするもの」と述べた。
米海兵隊の本格的な豪州駐留は、戦略的、経済的に重要性が高まるアジア太平洋地域に対する米軍のプレゼンス(存在)強化の一環。海空軍の近代化により、南シナ海やインド洋で存在感を増す中国を牽(けん)制(せい)する狙いがある。
現地からの報道によると、海兵隊は港湾に近いダーウィン空軍基地を拡充して駐留。部隊は6カ月間のローテーションで派遣され、同じく北部にある米豪統合共同訓練センターで訓練を行う。両首脳は豪州北部への米空軍機の展開を増やすことでも合意。米軍は有事に来援部隊が使用する装備や燃料、食料などの事前集積も行う方針だ。
米軍の豪州駐留の強化は、今年9月に米国で開かれた外務・国防閣僚協議(2プラス2)で大筋で合意。米豪ニュージーランド相互安全保障条約(ANZUS)の締結60周年に合わせたオバマ大統領の豪州訪問で発表された。
中国外務省の劉為民報道官は16日の記者会見で、「軍事同盟の強化と拡大が時宜にかなった行動か、議論の余地がある」と不快感を示した。中国、米海兵隊の豪北部駐留方針に反対姿勢
中国外務省の劉為民報道局参事官は16日の定例記者会見で、米海兵隊のオーストラリア北部駐留方針について「国際経済が低迷している状況下で、軍事同盟強化は時宜にかなった行動だろうか」と述べ、事実上の反対の姿勢を表明した。
劉参事官は、軍事協力拡大は「地域や国際社会の共同利益」に合致しないとの見方を示し「中国は軍事同盟を結んだことがない」と強調。「繁栄、安定した強大な中国を歓迎する」とした米側の「言行一致」を希望すると述べ、けん制した。
南シナ海問題については「外部勢力の介入は問題解決の助けにならない」とあらためて語った。