スキップしてメイン コンテンツに移動

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第7章

この章で合衆国憲法は成立する。制限された連邦政府機能について各州政府代表は署名した。


第7章[成立手続]

この憲法は、9 州の憲法会議の承認があれば、承認した州の間で成立するものとする。

西暦1787 年、アメリカ合衆国独立第12 年、9 月17 日、憲法会議において列席各州全会一致の同意に より、この憲法を定めた。これを証するため、われらはここに署名する。

日本国憲法は7章、8章、9章、10章、11章と続く。


第七章 財政

第八十三条  国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

第八十四条  あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

第八十五条  国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

第八十六条  内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

第八十七条  予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。

○2  すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

第八十八条  すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

第八十九条  公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

第九十条  国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。

○2  会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

第九十一条  内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

第八章 地方自治

第九十二条  地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

第九十三条  地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。

○2  地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第九十五条  一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

第九章 改正

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2項  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

第十章 最高法規

第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

2項  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

第十一章 補則

第百条  この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。

2項  この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

第百一条  この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。

第百二条  この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

第百三条  この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。
合衆国憲法と日本国憲法とを比較概観してきたが、近代国家として最初の憲法を起草した合衆国と、アジアで最初の近代憲法を制定した我国との違いがわかったのではないだろうか。合衆国憲法には修正条項、いわゆる権利章典が憲法制定後付け加えられた。最後に引用しておく。




修正第1条[信教・言論・出版・集会の自由、請願権][1791 年成立]

連邦議会は、国教を定めまたは自由な宗教活動を禁止する法律、言論または出版の自由を制限する法律、 ならびに国民が平穏に集会する権利および苦痛の救済を求めて政府に請願する権利を制限する法律は、こ れを制定してはならない。

修正第2条[武器保有権] [1791 年成立]

規律ある民兵団は、自由な国家の安全にとって必要であるから、国民が武器を保有し携行する権利は、 侵してはならない。

修正第3条 [兵士宿営の制限] [1791 年成立]

平時においては、所有者の承諾なしに、何人の家屋にも兵士を宿営させてはならない。戦時においても、 法律の定める方法による場合を除き、同様とする。

修正第4条[不合理な捜索・押収・抑留の禁止] [1791 年成立]

国民が、不合理な捜索および押収または抑留から身体、家屋、書類および所持品の安全を保障される権 利は、これを侵してはならない。いかなる令状も、宣誓または宣誓に代る確約にもとづいて、相当な理由 が示され、かつ、捜索する場所および抑留する人または押収する物品が個別に明示されていない限り、こ れを発給してはならない。

修正第5条 [大陪審、二重の危険、適正な法の過程、財産権の保障] [1791 年成立]

何人も、大陪審による告発または正式起訴によるのでなければ、死刑を科しうる罪その他の破廉恥罪に つき公訴を提起されることは無い。但し、陸海軍内で発生した事件、または、戦争もしくは公共の危機に 際し現に軍務に従事する民兵団の中で発生した事件については、この限りでない。何人も、同一の犯罪に ついて、重ねて生命または身体の危険にさらされることはない。何人も、刑事事件において、自己に不利 な証人となることを強制されない。何人も、法の適正な過程*によらずに、生命、自由または財産を奪わ れることはない。何人も、正当な補償なしに、私有財産を公共の用のために収用されることはない。

*原文のdue process of law(デュー・プロセス・オブ・ロー)の訳。適正な手続のみならず法の適正な内容も要求 するところからこのように訳される。

修正第6条[刑事陪審裁判の保障、被告人の権利] [1791 年成立]

すべての刑事上の訴追において、被告人は、犯罪が行われた州の陪審であって、あらかじめ法律で定め た地区の公平な陪審による迅速かつ公開の裁判を受ける権利を有する。被告人は、訴追の性質と理由につ いて告知を受け、自己に不利な証人との対質を求め、自己に有利な証人を得るために強制的手続きを利用し、かつ、自己の防禦のために弁護人の援助を受ける権利を有する。

修正第7条 [民事陪審裁判を受ける権利] [1791 年成立]

コモン・ロー上の訴訟において*、訴額が20 ドルを超えるときは、陪審による裁判を受ける権利は維持 される。陪審が認定した事実は、コモン・ロー上の準則による場合を除き、合衆国のいかなる裁判所もこ れを再び審議してはならない。

*コモン・ローについて憲法本文第3 章第2 条1 項の注参照。

修正第8条[残酷で異常な刑罰の禁止] [1791 年成立]

過大な額の保釈金を要求し、過大な罰金を科し、または残酷で異常な刑罰を科してはならない。

修正第9条[国民が保有する他の権利] [1791 年成立]

この憲法の中に特定の権利を列挙したことをもって、国民の保有する他の権利を否定しまたは軽視した ものと解釈してはならない。

修正第10条 [州と国民に留保された権限] [1791 年成立]

この憲法が合衆国に委任していない権限または州に対して禁止していない権限は、各々の州または国民 に留保される。

修正第11条 [州に対する訴訟と連邦司法権] [1795 年成立]

合衆国の司法権は、合衆国の一州に対して、他州の市民または外国の市民もしくは臣民が提起したコモ ン・ロー上またはエクイティ上のいかなる訴訟にも及ぶものと解釈されてはならない。

修正第12条 [正副大統領の選出方法の改正] [1804 年成立]

選挙人は、各々の州で集会して、無記名投票により、大統領および副大統領を選出するための投票を行う。そのうち少なくとも1 名は、選挙人と同じ州の住民であってはならない。選挙人は、一の投票用紙に大統領として投票する者の氏名を記し、他の投票用紙に副大統領として投票する者の氏名を記す。選挙人は、大統領として得票したすべての者および各々の得票数、ならびに副大統領として得票したすべての者および各々の得票数を記した別個の一覧表を作成し、これらに署名し認証した上で、封印をほどこして上院議長に宛てて、合衆国政府の所在地に送付する。上院議長は、上院議員および下院議員の出席の下に、すべての認証書を開封したのち、投票を計算する。大統領として最多数の投票を得た者の票数が選挙人総数の過半数に達しているときは、その者が大統領となる。過半数に達した者がいないときは、下院は直ちに無記名投票により、大統領としての得票者一覧表の中の3 名を超えない上位得票者の中から、大統領を選出しなければならない。但し、この方法により大統領を選出する場合には、投票は州を単位として行い、各州の議員団は1 票を投じるものとする。この目的のための定足数は、全州の3 分の2 の州から1 名または2 名以上の議員が出席することを要し、大統領は全州の過半数をもって選出されるものとする。下院にかかる選出権が発生した場合に、【つぎの3 月4 日になる前に大統領を選出しないときは、】[修正20 条により改正]大統領に死亡その他憲法上執務不能の事情が生じた場合と同様に、副大統領が大統領の職務を行う。副大統領として最多数の投票を得た者の票数が選挙人総数の過半数に達しているときは、その者が副大統領となる。過半数に達した者がいないときは、上院が、得票者一覧表の中の上位2 名の中から、副大統領を選出しなければならない。この目的のための定足数は、上院議員の総数の3 分の2 とし、選出には総議員の過半数を要するものとする。但し、憲法上大統領の職に就く資格がない者は、合衆国副大統領の職に就くことはできない。

修正第13条[奴隷制の禁止] [1865 年成立]

第1項 奴隷制および本人の意に反する苦役は、適正な手続を経て有罪とされた当事者に対する刑罰の場合を除き、合衆国内またはその管轄に服するいかなる地においても、存在してはならない。

第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第14 条[市民権、法の適正な過程、平等権] [1868 年成立]

第1項 合衆国内で生まれまたは合衆国に帰化し、かつ、合衆国の管轄に服する者は、合衆国の市民で あり、かつ、その居住する州の市民である。いかなる州も、合衆国市民の特権または免除を制約する法律 を制定し、または実施してはならない。いかなる州も、法の適正な過程*によらずに、何人からもその生 命、自由または財産を奪ってはならない。いかなる州も、その管轄内にある者に対し法の平等な保護を否 定してはならない。

*修正第5 条の注参照

第2項 下院議員は、各々の州の人口に比例して各州の間に配分される。各々の州の人口は、納税義務 のないインディアンを除き、すべての者を算入する。但し、合衆国大統領および副大統領の選挙人の選出 に際して、または、連邦下院議員、各州の執行部および司法部の官吏もしくは州の立法部の議員の選挙に 際して、【年齢21 歳に達し、】[[修正第26条で改正]かつ、合衆国市民である州の男子住民が、反乱またはその他の犯罪に参加した こと以外の理由で、投票の権利を奪われ、またはかかる権利をなんらかの形で制約されている場合には、 その州の下院議員の基礎数は、かかる男子市民の数がその州の年齢21 歳以上の男子市民の総数に占める割 合に比例して、減じられるものとする。

第3 項 連邦議会の議員、合衆国の公務員、州議会の議員、または州の執行部もしくは司法部の官職に ある者として、合衆国憲法を支持する旨の宣誓をしながら、その後合衆国に対する暴動または反乱に加わ り、または合衆国の敵に援助もしくは便宜を与えた者は、連邦議会の上院および下院の議員、大統領およ び副大統領の選挙人、文官、武官を問わず合衆国または各州の官職に就くことはできない。但し、連邦議 会は、各々の院の3 分の2 の投票によって、かかる資格障害を除去することができる。

第4項 法律により授権された合衆国の公の債務の効力は、暴動または反乱の鎮圧のための軍務に対す る恩給および賜金の支払いのために負担された債務を含めて、これを争うことはできない。但し、合衆国 およびいかなる州も、合衆国に対する暴動もしくは反乱を援助するために負担された債務もしくは義務に つき、または奴隷の喪失もしくは解放を理由とする請求につき、これを引き受けまたは支払いを行っては ならない。かかる債務、義務または請求は、すべて違法かつ無効とされなければならない。

第5項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項の規定を実施する権限を有する。

修正第15 条[選挙権の拡大] [1870 年成立]

第1項 合衆国またはいかなる州も、人種、肌の色、または前に隷属状態にあったことを理由として、 合衆国市民の投票権を奪い、または制限してはならない。

第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第16条[連邦所得税] [1913 年成立]

連邦議会は、各州に比例配分することなく、および人口調査または算定によることなく、いかなる源泉 から生ずるものであっても、所得に対して税を賦課し徴収する権限を有する。

修正第17条[上院議員の直接選挙] [1913 年成立]

第1項 合衆国の上院は、各州から2 名ずつ選出される上院議員でこれを組織する。上院議員は、各州 の州民によって、6 年を任期として選出されるものとする。上院議員は、それぞれ1 票の投票権を有する。 各州の選挙権者は、州の立法部のうち議員数の多い院の選挙権者となるのに必要な資格を備えていなけれ ばならない。

第2項 州の選出上院議員に欠員が生じたときは、その州の執行部は、欠員を補充するための選挙実施 の命令を発しなければならない。但し、州の立法部は、立法部の定めるところに従って州民が選挙で欠員 を補充するまでの間、執行部に対して臨時の任命をする権限を与えることができる。

第3項 この修正は、この憲法の一部として効力を発する前に選出された上院議員の選挙または任期に、 影響を及ぼすものと解されてはならない。

修正第18条[禁酒修正条項] [1919 年成立]

【第1項 この修正条項の承認から1 年を経た後は、合衆国とその管轄に服するすべての領有地におい て、飲用の目的で酒類を製造し、販売しもしくは輸送し、またはこれらの地に輸入し、もしくはこれらの 地から輸出することは、これを禁止する。

第2項 連邦議会および各州は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を競合的に有するも のとする。

第3項この修正条項は、連邦議会がこれを各州に提議した日から7 年以内に、この憲法の規定に従っ て各州の立法部により憲法修正として承認されない場合には、その効力を生じない。】[修正第21 条で全文廃 止]

修正第19 条[女性参政権] [1920 年成立]

第1項 合衆国またはいかなる州も、性を理由として合衆国市民の投票権を奪い、または制限してはな らない。

第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第20条[正副大統領と連邦議員の任期] [1933 年成立]

第1項 大統領および副大統領の任期は、この修正条項が承認されていなければその任期が終了してい たはずの年の1 月20 日の正午に終了し、上院議員および下院議員の任期は、同じ年の1 月3 日の正午に 終了する。後任者の任期はその時に始まる。

第2項 連邦議会は、毎年少なくとも1 回集会するものとする。会期の開始時期は、法律で別の日が指 定されない限り、1 月3 日の正午とする。

第3項 大統領に選出された者が、大統領の任期の始期として定められた時に死亡していた場合には、 副大統領として選出された者が大統領となる。大統領の任期の始期として定められた時までに大統領が選 出されていない場合、または大統領として選出された者がその資格を備えていない場合には、副大統領と して選出された者が、大統領がその資格を備えるに至るまで、大統領の職務を行う。連邦議会は、法律に より、大統領として選出された者も副大統領として選出された者もともにその資格を備えていない場合に ついて定めを設け、誰が大統領の職務を行うかについて、またはその職務を行う者を選出する方法につい て、宣明することができる。この者は、大統領または副大統領がその資格を備えるに至るまで、大統領の 職務を行う。

第4項 連邦議会は、法律により、下院に大統領の選出権が発生した場合に大統領として選出すること のできる者の中に死亡者が出たとき、および上院に副大統領の選出権が発生した場合に副大統領として選 出することのできる者の中に死亡者が出たときについて、定めを設けることができる。

第5項 第1項および第2 項は、この修正条項が承認された後の10 月15 日に効力を生ずる。

第6項 この修正条項は、提議された日から7 年以内に、4 分の3 の州の立法部によりこの憲法の修正 として承認されない場合には、その効力を生じない。

修正第21条[禁酒修正条項の廃止] [1933 年成立]

第1項 合衆国憲法修正第18 条は、本修正条項により廃止する。

第2項 合衆国のいかなる州、準州、または領有地であれ、その地の法に違反して、酒類を引渡または 使用の目的でその地に輸送しまたは輸入することは、この修正条項により禁止される。

第3項 この修正条項は、連邦議会がこれを各州に提議した日から7 年以内に、憲法の規定に従って各 州の憲法会議によりこの憲法の修正として承認されない場合には、その効力を生じない。

修正第22条[大統領の三選禁止] [1951 年成立]

第1項 何人も、大統領の職に2 回を超えて選出されることはできない。他の者が大統領として選出さ れた任期の間に、2 年以上大統領の職を保持しまたは大統領の職務を行った者は、大統領の職に1 回を超え て選出されることはできない。但し、この修正条項は、これが連邦議会により発議されたときに大統領の職を保持している者には適用されない。この修正条項は、これが効力を生じたときに任期中の大統領の職 を保持しまたは大統領の職務を行っている者が、任期の残りの期間、大統領の職を保持しまたは大統領の 職務を行うことを妨げるものではない。

第2項 この修正条項は、連邦議会がこれを各州に提議した日から7 年以内に、4 分の3 の州の立法部 により憲法の修正として承認されない場合は、その効力を生じない。

修正第23条[コロンビア地区の大統領選挙人] [1961 年成立]

第1項 合衆国政府の所在地を構成する地区は、連邦議会が定める方法により、つぎの者を選任する。 この地区が州であるならば選出することができる連邦議会の上院および下院の議員の総数と等しい人数の 大統領および副大統領の選挙人。但し、その数は、いかなる場合でも人口の最も少ない州から選任される 選挙人の数を超えてはならない。これらの選挙人は、各州が選任した選挙人に加えられ、大統領および副 大統領の選挙の目的のためには、州によって選任された選挙人とみなされる。これらの選挙人は、同地区 で集会して、修正第12 条に規定される義務を遂行するものとする。

第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第24条[選挙権にかかわる人頭税の禁止] [1964 年成立]

第1項 合衆国またはいかなる州も、大統領もしくは副大統領の予備選挙その他の選挙、大統領もしく は副大統領の選挙人の選挙、または連邦議会の上院議員もしくは下院議員の選挙において合衆国市民が投 票する権利を、人頭税その他の税を支払っていないことを理由にして奪い、またはこれを制限してはなら ない。

第2 項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第25条[大統領の地位の継承] [1967 年成立]

第1 項 大統領が免職され、死亡しまたは辞任した場合には、副大統領が大統領となる。

第2 項 副大統領が欠けたときは、大統領が副大統領を指名し、指名された者は、連邦議会の両院の過 半数の承認を経て、副大統領の職に就く。

第3 項 大統領が、上院の臨時議長および下院の議長に対し、その職務上の権限および義務を遂行する ことができない旨を書面で通告したときは、その後大統領が権限および義務を遂行することができる旨を 書面で通告するまで、副大統領が臨時大統領としてかかる権限および義務を遂行する。

第4 項[1号] 副大統領、および行政各部の長または連邦議会が法律で定める他の機関の長のいずれか の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限および義務を遂行できな い旨を書面で通告したときは、副大統領は、直ちに臨時大統領として、大統領職の権限および義務を遂行 するものとする。

[2号]その後、大統領が上院の臨時議長および下院議長に対し、職務遂行不能状態は存在しない旨を書 面で通告したときは、大統領はその職務上の権限および義務を回復する。但し、副大統領および行政各部 の長または連邦議会が法律で定める他の機関の長のいずれかの過半数が、4 日以内に、上院の臨時議長と下 院議長に対し、大統領がその職務上の権限および義務を遂行できない旨を書面で通告したときは、この限 りでない。この場合には、連邦議会は、開会中でないときには48 時間以内にその目的のために集会し、問 題を決定するものとする。連邦議会が、大統領が職務上の権限および義務を遂行することができない旨を 通告する書面を受理してから21 日以内に、または、連邦議会が開会中でないときは、集会の要請があって から21 日以内に、両議院の3 分の2 の投票により、大統領はその職務上の権限および義務を遂行すること ができない旨を決議したときは、引き続き副大統領が臨時大統領としてかかる権限および義務を遂行する。 かかる決議がなされなかった場合には、大統領はその職務上の権限と義務を回復するものとする。

修正第26条[投票年齢の引下げ] [1971 年成立]

第1項 合衆国またはいかなる州も、年齢を理由として、年齢18 歳以上の合衆国市民の投票権を奪い、 または制限してはならない。

第2項 連邦議会は、適切な立法により、この修正条項を実施する権限を有する。

修正第27条* [連邦議員報酬の変更] [1992 年成立]

上院議員および下院議員の職務に対する報酬を変更する法律は、つぎの下院議員の選挙が行われるまで、 その効力を生じない。

コメント

週間アクセスランキング

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 前文

これから日本国の新憲法草案を提案しよう。どうしてそう思ったかは単純だ、今の日本国憲法は近代憲法の要件を満たしていないと思われるからだ。近代における国家は主権者である国民の国家形成への強い意志によって成り立っているとする。―するとしたのはもっと奥深い部分では違うと考えているが、近代に対応するためにそう仮定することにしよう。

近代思想において国家は、たとえ国民がひとりでも、国民意志があれば形成することができるとされる。しかしそれは利己的な個人意志ではない。五箇条の御誓文で公論と示された、意志を国民主権では民意というのであって、それがなければ近代国家は存在しないのである。さらにその意志は個々人の中にある不条理で熱い志であり、それを顕現しあるいは不当な隷属の強要から擁護されなければならないと考えている。

そして近代における憲法はその国家を統治する権力を制限するために制定するものであり、国民から政治権力への手紙であり、もっと強く表現すれば命令書として機能するのもである。よって国民が必ずしも従うべきものではないという性質のものである。
統治体というのは国際的には近代国民国家が国際関係を維持するため、またはその関係が破綻した場合に起きる紛争を解決したり、戦争を遂行し条約を締結するための代表府である。同時に国内においては共同体秩序を維持発展させるために制度や法律を制定する立法府、制定された法律をもとにそれを執行する行政府、そして行政が正しい手続きで行われているかを監視したりあるいは手続きの瑕疵を判断する裁判所などの組織のことである。

しかしこれらの組織は主権者である国民の自由を拘束したり法律を不当に行使したりする可能性があるので主権者は組織に対し、してはいけないことと、積極的にしなければならないことを文書によって命令する、それが憲法の本質なのである。そういう視点をもって世界最初の憲法らしい憲法であるアメリカ合衆国憲法と戦後アメリカの占領下制定された日本国憲法を比較してみよう。

アメリカ合衆国憲法(日本語訳)
前文
われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。The Constitution o…

国際関係論で論じられる理想主義

リベラリズムほど解釈が多様にある言葉はないと思う。日本語では自由主義と訳される場合が多いのだが、昨今では自由主義とリベラリズムは対立する政治姿勢ともいえる。よって自由主義をリバタリアニズムと呼ぶのが一般的になりつつある。本稿の場合はリベラリズムを社会自由主義的な用法、ようするに国際関係論で論じられる理想主義として論じることにする。

20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)は大戦のような悲惨な戦闘を二度と繰り返さないために交戦国、非交戦国も含めて63カ国が署名した。目的は戦争の違法化、特に侵攻戦争の違法化を目指したが、最終的には侵攻戦争を非難するにとどまった。


貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。
リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま、貧乏人はもう少しお金持ちにすることだ。

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第1章

近代憲法は、主権者である国民の意志として、組織される政府に対する命令書なので、前文は、その意志を表現したものがふさわしい。そしてその目的を明確にする必要がある。さらにその目的のために、憲法を制定するわけなので、そういうことを頭に入れたうえで、再び前文を読むと、合衆国憲法は、

われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここに アメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。
目的意志がシンプルかつ明確に表現されている。これと比較して、日本国憲法における国民意志もしくは達成したい目的は、

政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。に色濃く現れ、

これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
が次にくる。なぜわざわざ一切の憲法と法令と詔勅と断る必要があるのだろうか。ここにこの憲法を制定した意志があるのではないだろうか。そして最後には、

国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

目的を達成することを、宣言命令するのではなく誓ふ。さらに誓ふ対象も明記されていない。我々日本国民は、誰に対して目標を達成することを誓ふのだろうか。 これに答えを出せる憲法学者や国会議員が、我が国にはどれほどいるのだろうか。国民はそれを疑問とも考えていないのだろか。

第 1 章はその意志を具体化する、そして目的を達成するための第一歩ということだ。最重要なことを最初に申し述べているのである。アメリカ合衆国にとって最重要なことは法の支配、法による秩序であり、日本国では天皇―スメラミコトによる秩序―これをしらすという―であるということだ。大日本国憲法では、

大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス

と統治の根拠となる天皇が過去、現在、未来に渡つて、日本国と日本民族の秩序の源であることを示している。この場合の統治とは伊藤博文が解説するように、しらすであり現実的な権力、うしはくと厳密に分けなければならないのである。

合衆国憲法は合衆国の秩序は法によって護られるゆえ、第 1 章では立法府についての規定が列記される。一方、日本国憲法では天皇についての条項が…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

TPPとはなにか ―GATT・WTO体制から考えるTPP

TPPというのはWTOが認めるGATT体制の例外で、自由貿易協定や関税同盟などの地域貿易協定のことだ。そのことについての議論が国会の場でもあまりされていないように思う。おがた林太郎元衆議院議員のブログそもそもFTAとはというエントリーがあり、自由貿易協定の根拠はガット24条だということを知らない議員が多いと指摘している。

経済産業省の説明では自由貿易協定(FTA: Free Trade Agreement)と関税同盟(Customs Union)を総称して地域貿易協定としている(RTA: Regional Trade Agreement)が、これらはGATT・WTO体制の例外として認められている協定で、それを規定しているのがガット24条という事になる。経済産業省のHPに関税及び貿易に関する一般協定、GATTの翻訳が掲載されている。
この協定の適用上、
(a) 関税同盟とは、次のことのために単一の関税地域をもつて二以上の関税地域に替えるものをいう。
(i) 関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条及び第二十 条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)を同盟の構成地域間の実質上のすべての貿易について、又は少くともそれらの地域の原産の産品 の実質上のすべての貿易について、廃止すること。
(ii) 9の規定に従うことを条件として、同盟の各構成国が、実質的に同一の関税その他の通商規則をその同盟に含まれない地域の貿易に適用すること。
(b) 自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条 及び第二十条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃 止されている二以上の関税地域の集団をいう。 TPPも含む地域貿易協定の根拠は24条にある。つまりTPPにも最恵国待遇が適用されるということだ。一応経産省のHPから最恵国待遇のPDFにリンクを張る。

WTOはその前進であるGATT(General Agreement on Tariffs and Trade) 関税及び貿易に関する一般協定が機関に昇格したものだが、実は国際通貨基金、世界銀行と並びブレトン・ウッズ体制の枠組みとして発足する…

TPPを締結できるか ―日本国憲法から考える

日本国憲法はその制定過程に疑義があるが、陛下の御名御璽のもと、施行されたのであるから、現在の政府はそれを遵守しなければいけないことは当然だ。しかし今回TPPについての議論を憲法の論点から整理をしながら思うことは、憲法を国会議員が全く意識していないし、ましてや遵守など微塵もされていないことに愕然とする。条文は、
第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 つまり、政府関係者は尊重擁護する義務があるのだが、自らの権限範囲つまり既得権擁護の議論にしか終始していないことには悲しみを覚える。

まずTPPなどの多国間協定は名は協定だが国家間の約束であるから、条約法に関するウィーン条約で定義される「条約」である。
第二条 用語
1 この条約の適用上、
(a) 「条約」とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。 さらに関税などの通商に関わる条約を通商条約といい、現在はWTO・GATTで規定されている。日本国憲法では、条約などの外交交渉は、内閣の専権事項である。
第七十三条 
三  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。 しかし、内閣は事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とするとあるように、締結した条約の批准は国会の権限になる。国会が批准しなければ国内的な効力は発生しない。

日本国政府は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を締結批准しWTOの構成国である。これは憲法の九十八条第2項の規定により国内法を改正して対処しなければならない。
第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 しかし憲法の条規に反する如何なる法律、命令、詔勅、及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しないとあるように、もし内閣が事後承認を要求した場合、締結した条約は国際的な効力を発生させるとされるのだが、国内的…

小和田恒悪玉論を問う ―衆 - 外務委員会 - 1号 昭和60年11月08日 その2

引き続き、村田春樹さんが國民新聞に書いた記事「小和田恒悪玉論を問う」への激励投稿を続けたいと思う。さて国会会議議事検索システムで昭和60年11月8日衆議院外務委員会の土井たか子委員の質問に対する答弁を検証しよう。

北朝鮮は日本の脅威ではない

北朝鮮の核開発問題は、日本にいろいろな教訓と示唆を与えてくれる。現在日本は、米韓と共に北朝鮮と対峙しているが、日本は、北朝鮮となぜ敵対しているのか、本当の敵は北朝鮮なのかという根本的な命題は、マスコミはじめ識者でも語られないままだ。今回はその辺を整理しよう。


北朝鮮問題の歴史的経緯 朝鮮民主主義人民共和国建国 1910年8月29日、大韓帝国は、日韓併合条約を専制君主である皇帝純宗が裁可することで、大日本帝国との合邦国となった。1945年4月12日、米国は、大日本帝国敗戦後の朝鮮半島統治に関して38度線での分割統治を提案する。1948年9月9日朝鮮民主主義人民共和国の成立は、その年の8月15日大韓民国の成立とともに、朝鮮半島における米ソの対立をより明確にすることになった。

共産主義による世界統治の実現のため、1950年6月ソ連及び、1949年に建国した中華人民共和国の支援を受けて、38度線を越境し大韓民国に進攻戦争を開始して朝鮮戦争が勃発する。大韓民国に駐留していた米軍を中心に国連軍―正式な手続きを経ていないので実質は国連派遣軍若しくは多国籍軍、が組織され、これを迎撃することになる。



朝鮮戦争 1950年6月25日宣戦布告なしに38度線で北朝鮮ソ連中国連合軍の砲撃が開始され、10万を超える兵力が38度線の越境を開始する。当時の韓国軍は兵力約11万人で装備は脆弱であった。さらに、北朝鮮のスパイ掃討戦や軍内部のスパイ粛清で士気は疲弊していた。米国及び国連は動揺するが、6月27日には国連安保理で北朝鮮を侵略者と認定して、その行動を非難する。さらに軍事行動の停止と軍の撤退を求める「国際連合安全保障理事会決議82」を賛成9反対0:棄権1の全会一致で採択した―ソ連は欠席。
韓国軍の崩壊と国連軍の敗走 韓国の李承晩大統領は、6月27日南朝鮮労働党関係者の処刑を命じ、韓国軍や韓国警察によって共産主義者の嫌疑をかけられた20万人から120万人に上る民間人を裁判なしで虐殺した―保導連盟事件。同時に、ソウルを放棄して水原に遷都した。このとき漢江にかかる橋を避難民ごと爆破した―漢江人道橋爆破事件。これにより漢江以北には多数の軍部隊や住民が取り残され、韓国軍の士気がさらに下がることになる。

国連軍を指揮した、マシュー・リッジウェイ将軍は、退却する韓国軍が放棄した装備は、数個師団だったと述べ…

農協は必要か ―農業保護政策は農家保護ではなく、農林水産省OBとJA職員の保護にすぎない

この冬、北海道にずいぶん出張したのだが、その時聞いた話題を提供しようと思う。

通州事件の体験記 ―気の弱い人は讀まないでください

通州事件は 、1937年(昭和12年)7月29日に発生した事件で、冀東防共自治政府保安隊(中国人部隊)による日本軍部隊・特務機関に対する襲撃と、それに続いて起こった日本人居留民に対する虐殺事件である。その体験記がある。讀むのも恐ろしい体験が綴られているのだが、歴史的事実を知るには貴重な記録であるので本誌の読者にも紹介する。あまりも惨たらしい体験記なので気の弱い人は讀まない方がいいと思ふ。
日本人皆殺しの地獄絵 私は大分の山の奥に産まれたんです。すごく貧乏で小学校を卒業しないうちにすすめる人があって大阪につとめに出ることになりました。それが普通の仕事であればいいのですけど、女としては一番いやなつらい仕事だったので、故郷に帰るということもしませんでした。そしてこの仕事をしているうちに何度も何度も人に騙されたんです。小学校も卒業していない私みたいなものはそれが当たり前だったかも知れません。それがもう二十歳も半ばを過ぎますと、私の仕事のほうはあまり喜ばれないようになり、私も仕事に飽きが来て、もうどうなってもよいわいなあ、思い切って外国にでも行こうかと思っているとき、たまたまTさんという支那人と出会ったのです。

このTさんという人はなかなか面白い人で、しょっちゅうみんなを笑わしていました。大阪には商売で来ているということでしたが、何回か会っているうち、Tさんが私に『Sさん私のお嫁さんにならないか』と申すのです。

私は最初は冗談と思っていたので、『いいよ。いつでもお嫁さんになってあげるよ。』と申しておったのですが、昭和七年の二月、Tさんが友人のYさんという人を連れて来て、これから結婚式をすると言うんです。そのときは全く驚きました。冗談冗談と思っていたのに友人を連れて来て、これから結婚式というものですから、私は最初は本当にしなかったんです。

でも、Yさんはすごく真面目な顔をして言うのです。Tさんは今まで何度もあなたに結婚して欲しいと申したそうですが、あなたはいつも、ああいいよと申していたそうです。それでTさんはあなたと結婚することを真剣に考えて、結婚の準備をしていたのです。それで今日の結婚式はもう何もかも準備が出来ているのです。とYさんは強い言葉で私に迫ります。

それでも私は雇い主にも相談しなくてはならないと申すと、雇い主も承知をして今日の結婚式には出ると申すし、少しばかりあっ…