予期しない妊娠の怖さ ―ダイエットはやめなさい!

子どもがほしいという人は男女を問はず多い。しかし結婚をするということには様々なハードルがあって、なかなか踏み切れないという人も少なくない。よつて妊娠をきっかけに結婚をすることも昨今ではむしろ主流になつている。これは別に悪いことではないと思う。ご両親にしてみれば釈然としないこと はあるやもしれないが、子どもを授かるということはある意味特別なことなので、それはそれで大事にしなければならない。男女が知り合ひ恋 愛してそうなることはむしろ自然なことだ。

東京都内でお寺を開院されているご僧侶の話だが、東京大田区にあるそこには、場所がらか水子供養にくるご夫婦が多いと云う。多くは普通のご夫婦な のだが、十代のカップルもいると云いう。普段あまり信仰とは縁遠い現代の若者でも「命」に関することに直面するとやはり頼るのは宗教と云う事になるやうだ。

供養と同時に説教もするのださうだが(説教というのは法話のことで叱りつけるわけではない)、女性は涙を浮かべながらしっかりと話しに耳を傾け るのだが、男性はそうではないことが多いらしい。実際に体と心に痛みを伴うのは女性だということだろう。その十代の女性の多くが妊娠の兆候に気が付かず4ヶ月5ヶ月になっていることがあると云う。さきにできちゃった婚が悪いわけではないとはいったが、問題は胎兒に与える危険リスクが妊娠を望んでできたケースと比べ大きいのが問題なのだ。

現在では胎児の状況を月周期という単位で管理していて1週間を7日、 2ヶ月を28日で数える。妊娠前の月経開始日を0週0日として起算する。月経周期には、個人差があるのではっきりとは云へないのだが、概ね最初の2週 は妊娠していないことになる。受精してから2週で早い女性は次の月経期が来るのだが、妊娠していれば当然生理は来ない。

体が熱っぽい、乳房が腫れぼったい感じがする、胃がムカムカする、歯茎がキリキリする、眠い、感情の起伏が激しくなるなどの症状があるのだが、 妊娠を望んで準備している場合は、すぐに妊娠を疑うだろう、そうでない場合は単に「生理が遅れているのかな?」となる。そして次の月も生理 が来なければちょっとは妊娠を疑うことになるだろうが、この間胎兒は(正確には10週目未満までは胎芽と云う)どれくらい成長するか知っているだろうか?

卵子が精子と受精すると結合体と云う一つの細胞になる。排卵1日目には2つに2日目に4つに3日目には16個の細胞に分裂する。4日目には重要な 変化が起こり、細胞が2グループに別れ、外側は妊娠を助ける働きを、内側はそのまま赤ちゃん自身になる。母体が2回目の生理が来ないことで、妊娠を疑って医者に診てもらい、妊娠に気付いたとして、9週から10週目の赤ちゃんは既に、ただの細胞から7.5㌘の胎兒と呼ばれるところまで成長していることになる。 6週目34日目までで1万5千倍に成長することになる。

この間必要な栄養は3週目くらいから、カルシウム(一日の目安量600㎎)は牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、豆類、海藻類から、リン(900㎎)は、牛 乳・乳製品、小魚、豆類からビタミンK(60~65μg)は、納豆、緑黄色野菜、海藻類からビタミンD(7.5μg)は、魚介類、キノコ類からビタミン C(110㎎)は、野菜、果実から、銅(0.8㎎)は、レバー、魚介類、豆類からマンガン(3.5㎎)は、茶葉、種実、穀類、豆類から亜鉛(7㎎)は、魚介類、肉 類、海藻類、豆類から摂る必要がある。

これらは、意識しなければ普通の生活では、あまりとらない葉酸などの妊娠初期に重要な栄養も含まれている。また受動喫煙などは、母親の肺から赤ちゃんに運ばれることになり、アルコールや薬も同様なことが云える。感染症などの病気は、デリケートな妊娠初期の赤ちゃんの成長への影響は、考えただけででもわかる。つまり妊娠を意識しない性交は、受精した場合のリスクが赤ちゃんと母体にとって、大きいと云うことなのだ。

妊娠を認識しないお母さんは、普段と変わらない生活をすることになるから、喫煙する人は、喫煙をし、アルコールや薬を摂取するだろう。それ自体が決して悪 い行為と云うわけではないが、赤ちゃんにとっては、様々なリスクを負う可能性があるということだ。つまり妊娠すると云うことを意識しているかどうかが問題なのだ。

最初の生理がない時、妊娠を疑わないことがいけないわけだ。たとえ意識していても、妊娠が分からない妊娠0日~13日の赤ちゃんは急成長している。母体が必要とする栄養は上に記載したので、性交渉を伴う交際をしている女性は、普段からダイエットなどと云つていないで、バランスの良い食事を心がけをする必要がある。