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小和田恒悪玉論を問う ―衆 - 外務委員会 - 1号 昭和60年11月08日 その1

5月3日、憲法フォーラムで、自治基本条例に反対する市民の会会長の村田春樹さんにお会いした。その際に氏の国民新聞への記事のコピーを頂いた。内容は平成25年6月25日「小沢一郎在日説を嘆く」と平成25年12月25日の「小和田恒氏悪玉論を嗤う」と題した記事だ。両者とも刺激的な記事で、最後にこのような筆者からのメッセージがある。「小沢一郎在日説を嘆く」には「本紙発行後に民主党福山哲郎氏が帰化人と判明しましたが、本稿の趣旨は変わりません。本稿の趣旨へ科学的根拠のある反論をお待ちしております。」、「小和田恒氏悪玉論を嗤う」には、本稿に対する反論をお待ちしております。昭和60年11月8日第103回国会外務委員会の議事録を詳細にお読みの上にお願い致します。」とある。記事を読んで「村田さんらしいなぁ~」と感心したので、早速国会会議議事録会議システムで当該質疑を検索してみた。

問題の箇所は社会党土井たか子委員との質疑なのだが、中曽根首相の靖国参拝問題を引き合いに出し、日中関係についての質疑に関するところからなのだが、当初は当時の後藤利雄アジア局長が答弁をしていた。それを極東国際裁判の解釈へと誘引していく土井たか子委員の質問に、当時条約局長をされていた小和田恒氏が答弁をするところなのだが、ポツダム宣言、極東国際裁判、日本国憲法などの戦後日本の手枷足枷となった、諸法規解釈に対してぎりぎりの答弁を展開している。まず土井たか子委員はこう切り出して日航機がソ連側FIRに侵入した事件の質疑を日中関係に切り替えるところから検討しよう。

○土井委員 わかりました。それはさらに努力を積んでいただいて、ぜひとも来春の外相会談の席では、これに対して具体的に何らかの措置がはっきりできることを望んでいます。これはひとつ、努力方をさらに要請を申し上げたいと思います。 さて、ほかにも日ソ間の問題は基本的にございますけれども、きょうは特にあとの時間を靖国問題についてお尋ねを進めたいと私は思うのであります。  それでは後藤局長からお尋ねしたいと思うのですが、十月八日に後藤局長は急速、本当に急速訪中されたわけでありますけれども、どのような目的で中国にあのときいらしたのですか。

○後藤(利)政府委員 お答えいたします。  御案内のように、十月十日から外務大臣同士の第一回の定期協議が開かれるということでございました。そこで、せっかく外務大臣が行かれますので、私ども単に呉学謙、ウー・シュエチエン外 務部長との協議のほかに、できるだけ多くの要人の方にお会いいただいた方がいいということで、外交チャネルを通じていろいろと中国側にお願いしておったわけでございます。ただ、御案内のように、中国側はいろいろな御日程がありまして、その時点においてなかなか決まっておりませんでしたので、むしろぜひ今度の安倍外務大臣の訪中の意義をもう一度、鄧小平主任以下できるだけ多くの要人に外務大臣がお会いすることができて、この機会に日中関係を大局的にお話ししていただくことが非常にいいのじゃないだろうかという私どもの誠意を、東京におります私が参りまして中国側の関係者にお願いするということで、要人と外務大臣との表敬、会談の日程の最終的なお願いに伺ったということでございます。

○土井委員 局長、ちょっとそれは四角四面な切り口上でおっしゃるわけだけれども、急速いらしたのには、大変な御無理を重ねていらっしゃるはずなんです。今までの外務大臣の訪中についてこれだけ配慮して、これだけ局長自身が無理をして飛んでいかれるということはよもやございませんでした。飛んでいかれた当日は、外国の方とお会いになるお約束もあったはずであります。韓国の金泳三氏と会談されるということもキャンセルにした。しかも、航空券はなかなか手に入らない、難しいのに、無理をしてわざわざいらした。今おっしゃったような御答弁だったら、日本大使館を通じてアレンジできるのです。いつでもそのとおりやってこられている。特に、いろいろと事前の調整が必要だったのじゃないですか。

○後藤(利)政府委員 今御指摘のとおり、八日の夜、韓国の金泳三氏と私会食をさせていただきたいという日程を立てておりました。大変乱もこの会談を、会談というか夕食を楽しみにしておりまして、私、体が二つあったら両方に本当に出たいなという感じがあったわけでございます。急に参りましたのは、私としては、大使館を通じてそういう日程のアレンジができればいいなと思っておったのでございますが、なかなかできないということでございましたので、できないと言ったらおかしいのですけれども、十日に行きまして……(土井委員「おかしいですよ」と呼ぶ)いやいや、そんなことは絶対にございません。行きまして、鄧小平主任――何日の何時ということはあるいはわかるかもしれませんが、私、事務当局の責任者といたしましては、日中外相会議は初めてでございますので、外務大臣ができるだけの要人にお会いしたいという希望に万一にも沿えない場合には、甚だ私責任を感ずるわけでございます。金泳三氏にお会いできなかったのは、まことに残念でございます。  それから、九日でもよかったかなという感じはするのですが、たまたま飛行機が八日の午後にとれたというものですから、結果的には急速飛んでいったということでございます。本当にそれだけでございます。

○土井委員 大変無理な御答弁だと思うのですよ。それはだれに会っていただけるかという調整だけではなくて、大事な懸案の内容に対する調整もあったのでしょう。それは既に巷間はっきり伝えられています。中国側がただいまの靖国問題に対して非常に強い姿勢を持っている、このことに対して外務省としては対応方が要請される、この調整がありはしませんか。

○後藤(利)政府委員 八日に参りまして、九日に先方の外務部の次官、あるいは私のカウンターパートであるアジア局長と昼食などをしたことは事実でございます。その過程において、もちろん今の要人の表敬のほかに議題というものは、日中外相会談の議題は二国間で国際関係のいろいろなお話をしましょうということは既にお話ししておったわけでございますが、靖国問題について調整する等そういうような問題はございません。靖国神社問題というのは、もっと高いレベルの非常に政治的なあれでございますので、私がこれについて調整するというようなたぐいのものではないと思います。  ただ、靖国神社の問題について、昼食か何かのときに日本の公式参拝というのがあって、それは官房長官談話のラインで私がお話ししたということはございますけれども、それがいわゆる今先生の言われました調整とか、そういうことでは毛頭ございません。それはむしろ、外務大臣同士においてお話ししていただくべき筋合いのものであるというのが私の判断でございました。

○土井委員 それはそうだと思います。外務大臣から正式に言われるのが筋であろうと思います。しかしその前に、一応それに対してその席を通じて説明をされることぐらいに、この問題に対しては重要視されて行かれているのですよ。

○後藤(利)政府委員 靖国神社問題が、日本の国内あるいは関係国において今非常に関心があるということは当然でございます。私もこの問題については、小さい心を常に痛めてきておることは御理解いただきたいと思います。その意味で官房長官の談話をお話しして、外務大臣もその点については呉学謙外交部長と率直なお話をさせていただくであろう、その点はよろしく外交部長にお話をお聞きいただきたい、そういうことでございます。

○土井委員 それごらんなさい。今の御答弁を聞いていると、やはりそういう調整じゃないですか。中身についてどうぞ聞いていただきたい、そういう調整ですよ。  さて外務大臣、中国の靖国に対する抗議というものについて、これは内政干渉だというふうなことを発言する人がおるんですね。しかし、日中共同声明の六項を見たり、日中平和友好条約の一条一項を見てまいりますと、そこに言うところの内政干渉には当たらないと私は思うのですが、これは内政干渉というふうに受けとめていらっしゃいますかどうですか、外務大臣にお尋ねいたします。

○安倍国務大臣 この問題についてはいろいろと議論もあるわけですが、私と外務長官との話し合いでは、内政干渉とかそういう立場で話をしているわけではありませんで、あくまでもやはり日中関係の将来の問題、それからこれまでの日中関係のあり方、そういうものを踏まえた形で靖国問題にも触れて、特に中国側としましては、日本に中国の人民の感情をやはり十分知っていただきたい、理解していただきたい、こういう趣旨でございます。中国側が、初めからそうした内政干渉とかそういう意図でもって、あるいはそういう気持ち、立場で日本に対して注文をつけたということではもちろんありません。

○土井委員 今外務大臣としては、内政干渉とは受けとめていらっしゃらないというお立場でありますが、そうすると、内政干渉でないということになるなら、その理由は、どういうふうなところでこの抗議があるというふうに受けとめていらっしゃいますか。

○安倍国務大臣 これは、具体的な会談の内容についていろいろと申し上げることは、やはり国際間の関係でもありますから差し控えるのが妥当じゃないかと思いますが、中国側としましては、やはりああした学生の一連の動き等もあって、そういう中でとくに靖国神社の公式参拝というのが、何か一部のといいますか、中国の人たちから、国民感情から見ると、日本がまた今まで来た道から方向を変えていくのじゃないか、中国が一番心配しているいわゆる軍国主義といった方向に、こうした総理大臣の公式参拝というものを契機に道を変えていくのじゃないか、そういうおそれ、心配というものが中国側にある。そうした心配というのが学生等の動きになってもあらわれておるのだ、こういうことも言っておられたのであります。  ですから、私はそれに対して、日本のとった今回の総理大臣の公式参拝というのは、官房長官の談話にも尽くされておるし、この官房長官の談話というのは、やはり日中関係についても、日本がこれまでアジアの人たちに与えた大きな犠牲というものに対する反省は常にしていかなければならぬ、同時に、これからの平和のために日本は努力をしていく。今回の措置というものは、一般の戦 争の犠牲者に対して政府として弔意を表する、こういう形でやってきているわけで、中国側が心配しておられるような軍国主義への道を歩くとか、あるいはまた日中共同宣言に違反をするような立場で日本が何かやろうとしている、日中平和友好条約に背馳するような形で日本が何かやろうとしている、そういうものでは決してないのだ、これまでの日中間で約束し、結んだ原則、条約、基本というものはきちっと守っていきますということを、私からも詳細に説明したわけであります。

○土井委員 その外務大臣は詳細に説明をされたということも新聞記事に報道されているわけでありますけれども、日本政府の真意を説明しましても、中国側の立場というのは、A級戦犯を祭った靖国神社へ政府が公式に参拝した行為そのものが相互の信頼を裏切る、侵略戦争の被害者である中国人民の痛みというものを踏みにじるものだというふうなとらえ方があるのじゃないか、こういうことに相なるわけでありますが、この点はいかがでございますか。

○安倍国務大臣 そうした判断も、私は率直に言って中国側にはあるのじゃないか、こういうふうに思います。

○土井委員 そこでお尋ねしますけれども、中国側の理由というものが一応納得できるというものであるならば、日中間の関係を一層強固なものにしていくことのためには、納得できる内容に対して、日本としてはやはりこれにこたえるということが非常に大事な問題になってくると思うのです。日本は中国に対して侵略戦争を行い、大変多大の被害を与えたという過去の事情があるわけですけれども、この点に対して外務省としてはどういう認識を持っていらっしゃいますか。

○安倍国務大臣 過去、日本が中国あるいは中国の民衆に与えた大変大きな犠牲というものに対しては、日本としては深く反省をして、その反省の上に立って日中関係というものを進めていかなければならない、こういうふうに思っています。

○土井委員 その過去の大変な、向こうに被害を与えたということの反省とおっしゃいますが、これはやはり中国に対して日本は侵犯した、侵略をしたという事実に基づくところの被害が中国側にはあったという事実関係に相なると思われますが、いかがでございますか。

○安倍国務大臣 中国側がそういうふうに判断することは、それは日中間のこれまでのあり方からすれば、国際的にもあるいは客観的にもそれなりの意味があるのじゃないか、こういうことは日本としてもやはり十分受けとめなければならぬ、こういうふうに私は思います。

○土井委員 つまり、国際的に日本は中国に対して侵略をしたということが是認されておる、国際的それは認識である、このことを日本もはっきり認めなければならぬ、こういう関係になるわけですね。  東京裁判で「平和に対する罪」という概念が新しく出てきているわけですが、「平和に対する罪」というのは内容は一体どういうものなんですか。外務省いかがでしょう。

この質問に対し当時外務省条約局長であった小和田恒氏の答弁があるわけなのだが、それは次回にしようと思う。

少しここまでの当時の日中関係を補足しておこう。1985年8月14日に、首相の靖国参拝を中国側が突然非難をしてた。しかし15日の終戦記念日に中曽根は首相として公式に靖国神社参拝をする。戦後それまで、第43代東久邇宮稔彦王以下、第71代中曽根康弘首相の1985年4月22日までの38代12人59回の参拝には非難はなかった。1978年いわゆるA級戦犯の合祀以降も大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘が、計21回参拝しているにも関わらず突然非難をしてきたのである。

その1週間前の1985年8月7日、朝日新聞が批判的に靖国参拝問題を報道すると14日突然、中国側が非難をしてきたという背景がある。その後は事あるごとにこの問題を外交の訴求にあげて来たため、中曽根康弘はこれ以降参拝を自肅している。この質疑は朝日新聞、そしてそれに呼応した中国政府の外交的な揺さぶりの渦中に行われた質疑なのである。

一方の中国側はというと、1977年に政権に復帰した鄧小平は、1978年10月に日中平和友好条約批准書交換のために訪日、日本の目覚ましい経済発展ぶりを目の当たりにする。同年の第十一期中央委員会第三回全体会議に於いて、文革の否定と改革開放が決定され、華国鋒の失脚で鄧小平は完全に政権を掌握する。翌79年には米中の国交が樹立すると、鄧小平は米国を訪問する。日米両経済大国の現状を目の当たりにした鄧小平は、より一層社会主義市場経済体制への移行を決意する。80年には趙紫陽が党主席、81年には自身が党中央軍事委員会主席、82年には胡耀邦が党総書記と完全な鄧小平体制が確立する。

鄧小平は趙紫陽、胡耀邦といった若手の人材を登用して改革開放路線を進めたのだが、そこには政権の座を追われた、ひと世代前の保守派長老たちや実力者もいた。鄧小平というカリスマのもと改革開放を推進していたが、それは副産物として民主化も釀成する。 鄧小平は経済の改革開放には肯定的であったが、民主化には否定的であった。いわゆる靖国問題が85年に起こると、この問題で中国国内の保守派の長老たちが、胡耀邦、趙紫陽の親日路線を追求し結局、胡耀邦は86年失脚することになる。

胡耀邦は83年に訪日し、中曽根首相との友好関係も良好であった。中曽根康弘は1985年8月15日の参拝を最後に、参拝を自肅したと書いたが、後年中曽根はその件に触れ、「親日派である胡耀邦が中国共産党内の批判にさらされて失脚する可能性があったからだ。それはどうしても困ることだったから」と述べている。1978年のいわゆるA級戦犯の合祀から、最初の批判までの7年間は、中国の権力闘争とその後の改革開放路線推進のためのため、日米の経済協力を必要としたため、靖国問題が外交の溯上に上がることはなかった。鄧小平の訪日時には、おそらく合祀は公になっていなかったが、胡耀邦の訪日時には報道その他で、中国側にも伝わっていたはずである。鄧小平とて7年間それを知らなかったわけではないだろう。

中国が「A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相が参拝することは、中国に対する日本の侵略戦争を正当化することであり、絶対に容認しない」という見解を表明し続けていのであれば、その主な理由は「A級戦犯合祀」であり、78年7月からの約7年間の沈黙はどう説明するのだろうか。当時の自民党政権側には中国の政治情勢の変化が靖国参拝への非難の根底にあることはわかっていたはずである。中曽根の胡耀邦擁護発言の根底にもそれがある。しかし安倍外務大臣の答弁はその政治情勢を全く説明していない。当然質問者の土井たか子には靖国問題が、日中国交回復当初からの懸案事項で、日中共同声明や日中友好条約の基本的精神のように誘導しているが、それに対しての反論を安倍外務大臣はしていない。土井たか子委員の想定誘導質問の通りの展開になり、細かな条約解釈論に導き、小和田恒当時の外務省条約局長の登場となるわけだ。

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朝日新聞も毎日新聞も、今こそ憲法第9条を遵守するよう社説を書くべき

―国連軍創設が憲法第9条の要請― 国連常備軍と戦力の放棄は契約 少し過激なタイトルだが、憲法解釈上そういう結論になる。そもそも日本国は「公正と信義に信頼して」自国の安全と平和を確保しようとしたので、自国を防衛するための戦力はいらないと宣言している。つまり国際的に平和を実現するためには、各国が戦力を縮小して、国連常備軍がそれらより強力な唯一の戦力になる必要がある。それが第9条の要請だ。

II War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection.

No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.

マッカーサーは日本国の防衛と保護をある崇高な理念に委ねる、ことを指示している。この崇高な理念とは国際連合のことである。もう少しつめると、国連軍もしくは国連常備軍ということになる。国連憲章は、
第42条 安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。

として、国連軍としての行動と加盟国の軍の行動を規定しているが、その頼みの国連常備軍は待てど暮らせど組織されたことはいまだない。当然国連常備軍は各国にもしくは各地域に常駐することになる。米国を例にすると、州軍と連邦軍の関係といえる。
ICBM迎撃も憲法違反 現在の北朝鮮は国連の決議に反して核ミサイルを開発し…

国益とは時間と空間である

時間と空間に関わる利益が真の国益である 国益とは さて国益とはなんだろうか。国益(national interest)は利益であるから経済的な意味合いが強いのは当然だ。当然経済的という具体的な側面も必要である。民主政体であるかぎり具体的な数値でその支持を得ることは必要だからだ。では経済的利益以上に重要な国家の利益があるのだろうか。もちろん答えはイエスだ。それは領有権(領土領空領海)と歴史と伝統に関わるものだ。この両者こそが真の国益ではないだろうか。

領有(土高)権とは我々が生活する空間を統治する権利であり、それを承認するのが我々の歴史と伝統だ。つまり領土領有権(空間)と時間(その正統性、歴史と伝統)が国益の本義ではないか。これらを守るために政府が組織され、その構成員たる国民はこれらを守る義務を追う。私は命をかけても守る義務を負う国家の利益を国益と定義したい。

そしてこの国益を守るために近代、付与されたのが国民の利益であると考える。国民は国家を守る義務を負うため政府権力から特別の権利を付与されている。憲法で保証される諸権利の正統性は国益を守るという事のみに由来する。過去ギリシャの都市国家やローマ市民も、奴隷でないものは国家防衛の義務を追っていた。奴隷は戦争は免除されていた。

市民は奴隷を支配する権利と引き換えに国家防衛のためには命を捨てなければならなかったのである。諸権利は唯一国家防衛の義務を果たすための利益にすぎないのである。これをこんにちにあてはめれば、国家防衛のための国民の利益であるといえないだろうか。安全保障を他国に譲っている国家は独立国とはいえないうえ、国民すら存在しないといえる。


TPPと慰安婦問題 平成23年11月17日、李明博大統領が来日したが、第一声で慰安婦問題の解決に言及した。これは韓国の憲法裁判所が今年8月に「賠償請求の具体的措置を政府がとってこなかったのは違憲」とする判断を出した事による。これらの賠償に関する諸問題はすでに日韓条約締結時に「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」となっているにもかかわらずだ。

先に歴史と伝統に関わることを私は国益であると定義した。慰安婦問題はまさしく国益である。我が国の官憲が朝鮮半島女性を半ば強制連行して大陸派遣軍の慰安所に拘束し売春行為をさせていたという、事実に反することで我が国の首相が相手…

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 前文

これから日本国の新憲法草案を提案しよう。どうしてそう思ったかは単純だ、今の日本国憲法は近代憲法の要件を満たしていないと思われるからだ。近代における国家は主権者である国民の国家形成への強い意志によって成り立っているとする。―するとしたのはもっと奥深い部分では違うと考えているが、近代に対応するためにそう仮定することにしよう。

近代思想において国家は、たとえ国民がひとりでも、国民意志があれば形成することができるとされる。しかしそれは利己的な個人意志ではない。五箇条の御誓文で公論と示された、意志を国民主権では民意というのであって、それがなければ近代国家は存在しないのである。さらにその意志は個々人の中にある不条理で熱い志であり、それを顕現しあるいは不当な隷属の強要から擁護されなければならないと考えている。

そして近代における憲法はその国家を統治する権力を制限するために制定するものであり、国民から政治権力への手紙であり、もっと強く表現すれば命令書として機能するのもである。よって国民が必ずしも従うべきものではないという性質のものである。
統治体というのは国際的には近代国民国家が国際関係を維持するため、またはその関係が破綻した場合に起きる紛争を解決したり、戦争を遂行し条約を締結するための代表府である。同時に国内においては共同体秩序を維持発展させるために制度や法律を制定する立法府、制定された法律をもとにそれを執行する行政府、そして行政が正しい手続きで行われているかを監視したりあるいは手続きの瑕疵を判断する裁判所などの組織のことである。

しかしこれらの組織は主権者である国民の自由を拘束したり法律を不当に行使したりする可能性があるので主権者は組織に対し、してはいけないことと、積極的にしなければならないことを文書によって命令する、それが憲法の本質なのである。そういう視点をもって世界最初の憲法らしい憲法であるアメリカ合衆国憲法と戦後アメリカの占領下制定された日本国憲法を比較してみよう。

アメリカ合衆国憲法(日本語訳)
前文
われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。The Constitution o…

国際関係論で論じられる理想主義

―リベラリズムー 誤解されるリベラリズム リベラリズムほど解釈が多様にある言葉はないと思う。日本語では自由主義と訳される場合が多いのだが、昨今では自由主義とリベラリズムは対立する政治姿勢ともいえる。よって自由主義をリバタリアニズムと呼ぶのが一般的になりつつある。本稿の場合はリベラリズムを社会自由主義的な用法、ようするに国際関係論で論じられる理想主義として論じることにする。




20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)は大戦のような悲惨な戦闘を二度と繰り返さないために交戦国、非交戦国も含めて63カ国が署名した。目的は戦争の違法化、特に侵攻戦争の違法化を目指したが、最終的には侵攻戦争を非難するにとどまった。




貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。

リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま…

日本国憲法改正提案Ⅳ

―戦争って放棄すればなくなる?― 天声人語の強制は憲法違反 そのⅢまで如何だろう? 僕が受験生のころ、―昭和56〜57年、先生が「朝日新聞の天声人語を読んでおけ、必ず試験に出るからな。」これってすごいね。この次の稿では、権利について検討するが、この発言は明らかな権利侵害だ。ある特定の新聞のある特定の筆者が書いた私見を、そのまま疑いもしないで試験では正解として書け!ということなわけだから。当時は朝日新聞に書いてあることが、受験に出題される「正解」だったのだ。

自衛隊を否定すれば卒業! ある先生に、昭和40年代から50年代まで、大学の卒論で自衛隊の悪口を書けば、評価されたと来たことがある。もちろん、すべてではないだろうが、時代の雰囲気はそんな感じだったのだろう。受験生の僕のために、朝日新聞を購読していた、母親も見事に影響を受けて、いまでもそれは変わってない。

僕は、それはそれで仕方のないことだと思う。物事の良い悪いは、自らの経験や信仰、影響を受けた人や情報で判断する。ただ、事実や法律的な合法違法はあきらかなので、―これは司法の稿で説明するが、事実に基づく判断、法律に基づく判断は、国民として身につける必要はあるだろう。


なぜ男はだめなのか? 出来れば女性に読んでもらいたい。それは、―あくまでも僕、個人の経験だが、男はどうしょうもないから生きんのだと思う。男性全員が、そうだとはいわないが、―あくまでも、僕レベルの男性は、政治に興味がない。興味の方向はの女性だけに向いている。

何をするにも基準は「女性にもてたい」か「格好良いと思われたい」くらいだろう。音楽をやるのも、スポーツをやるもの仕事で出世するもの、究極の目的はそれ以外にない。天下りを斡旋して首になったどこかの省の次官が、次官になっても、キャバクラの特定の女性に入れあげたなんてのもそう、先生に反抗するのも究極、それしかない。だから男に憲法が…、と話してもなかなか興味はひかないと思う。

そういう僕も、Anarchy in the UK ―ちなみのコックニーではナナキーと発音します、を歌ったり、スターリンというバンドが好きだったりしましたので、あまり人のこといえないが…。若いうちと現在の考え方は変わって当然です。ですから今、こんな考え方もあるんだぁ〜、程度に読んでもらいたい。

では、女性はどうだろう。僕は女性…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

国家とはなにか

―言葉による混乱― 家族、社会、国 国家は、ヘーゲルの分類のよれば、家族や会社から構成される社会とは区別され、ウエーバーは正統性がある継承によって形成された一定の領域を暴力に関する権威・権限を行使する単独の主体(国家)と定義している。国家とは政府組織であり社会とは区別される。State の訳語として国家があてられているように、国家とは政府、議会、警察、官僚、裁判所などの機関を有する統治権力のことを指す。


国民、国家 人間は子孫を残すため家族をなし生活する。そのような家族が一定の習慣や宗教によってある領域内で集団となったものが共同体だ。そして多少の習慣や宗教的違いを包括した地域を「国」と呼ぶ。「国」の住人が「民族」であり、近代はこの集団=民族を統治する権力が組織され「国家」と呼んだわけだ。そして、民族は「国民」となったのである。日本語に State と Country や Nation を区別する言葉なないのは、憲法議論などを混乱させている要因の一つだろう。



領域、人民、権力 国際法で定義されている「国家」もその地域を統治する政治組織のことを指す。つまり内外に干渉されず国民を正統性のある統治機構のことを国家という。国際法では、領域、人民、権力の三要素が承認の条件ともなる。
ある程度以上確定された一定の領土を持つこと。国民が存在すること。統治機構を持ち実効的支配をしていること。 このように国家は強大な権力を有していなければならない。つまり外に対しては自衛力、うちに対しては秩序維持の警察力が国家の基本となることがわかるだろう。
国、天皇 我々の「国」は、国ヲ肇ルコト宏遠ニと教育勅語にあるように神武天皇が肇国した世界最古の「国」だ。天皇は「治らす」存在として祭政一致の統治者として政にあたり、明治維新によって近代的な君主となった。日本国は憲法以前に存在しているという事実は憲法が国の形に(その事実に)その権力を及ぼしてはいけないということだ。
社会、天皇 国家は社会と対峙する存在とまではいえないが社会に対し強制力がある。さらに国民の自由を拘束することができる。しかし憲法の規定により組織される政府は憲法を制定している、正統性を有する権威を否定出来ないしまた、それを変更できない。明治憲法における第1章天皇条項の1条から3条はそのことを明記した条文だ。

つまり天皇の身体を不可侵…

日本国憲法改正案条文の解説 第2章 権利

権利は外在的言語に過ぎないので獲得するのもである。 権利は鎧である 第2章は国民の権利だが、この章では、現行憲法より多くの人権を規定して国民の福祉向上に寄与しようとしている。権利カタログは条文ではなく、条項で列記しているのは大きな改正点だ。


第2章 権利
第15条[国民の要件]日本国民は、日本国籍を有するものとする。
あまりにも当然の規定なのだが、昨今二重国籍で問題になっている議員がいるように、この後の条文で議会議員要件は明確化したい。

次に権利の具体的規定だが、学説の争いをなくすために、日本国民の権利、制限できる権利、万人の権利に分けた。婚姻や選挙、教育、就労などの権利は公共の福祉の観点から年齢制限を課しているのでわけることにする。第17条は日本国民固有の権利として憲法がその擁護を宣言した。

日本国憲法改正案 第2章 権利
第17条[国民の権利]次にあげる基本権は、国民の権利として、日本国民に保障する。個人として尊重され自由かつ幸福を追求すること。
2 むやみに生命を奪わず、健康で文化的な生活を営むこと。
3 平等であること。
4 人種、信条、性別、社会的身分又は出生により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないこと。
5 財産を自由に処分し、また不当に奪われないこと。
6 居住、移転及び職業選択の自由を侵されないこと。
7 外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されないこと。
8 拷問及び残虐な刑罰に処されないこと。
9 公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し請願すること。

日本国憲法の諸テキストを読んでも、人権に関する解説に重点を置いている。私は人権に関して、米国的な自然権思想よりは仏国的な行政権の抑止的な立場に立っている。それは英国的な国民の権利と親和性が高いが、あくまでも人造の鎧のようなイメージを持ってる。

個々人が武装して個々人のバランスオブパワーによる、社会秩序の維持を目的としている、自然権的人権思想は、やはり米国的といえる。ところが第二次大戦において、独国が行った人権侵害は、欧州において、議会による人権保護から法律からの保障という、新しい次元の人権に昇華した。現在の日本は国際人権規約を批准しているので、憲法はその規約を誠実に尊守する必要がある。

いずれにせよ、欧米の人権思想の奥には…

日本国憲法改正案条文の解説 ―第4章 立法権

二院制の必要ある? 二院制は基本的に王国で貴族などの制度があるときに、貴族院と庶民院、ー英国、もしくは連邦制国家が国民代表と各自治体の代表、―独国や米国、というようなときに必要とされる。北欧諸国が王政の制限と平等原理の徹底によって、二院制から一院制への移行をしているように、日本国も天皇の権限の制限と貴族制の廃止は、一院制の十分条件である。


第4章は立法権を規定している章である。冒頭説明したが、現行憲法の二院制はGHQ案では一院制であった。

Article XLI. The Diet shall consist of one House of elected representatives with a membership of not less than 300 nor more than 500.


GHQ案が手交されたのち、日本政府下で、憲法改正を議論したのは憲法問題調査委員会だ。その議事で、「二院制を維持すべきであるが、従来の貴族院の権限に制限を加え、その構成を民主的なものに改めるべきだ、との意見が支配的であった」、「その名称についても、「上院」「第二院」「元老院」「特議院」「審議院」「参議院」など様々な案が出されたが、「参議院アタリガ無難」だということになった」という。
GHQ民政局が起草した案は「日本の政治の発達状況をみても、簡明性という点からも、一院制を提案するのがよいとの結論に達した。」としているが、これは、貴族制度が廃止されること(マッカーサーノート)、日本は連邦国家でないこと、第一院と第二院の間の争いが生じるおそれがあることなどの理由によるものであったとして、非常に理にかなっている。

参議院の設置理念を金森徳次郎国務大臣は、「衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにある」とした。この理念は現在、踏みにじられている。障害のある子供をほったらかして、市会議員と一線を越えないまでも、ベッドをともにして開き直ってる議員、二重国籍が確定しても、努力義務なのでと、戸籍を公表して居座る議員、そのほか議員資格に???が付く参議院議員が多い。

原点に返って一院制にすることが最初の目的である。また議会の権限と権能を規定すること。特に現行憲法には全く規定のない貨幣造幣権や度量衡、暦、徴税権、軍の編成権など権限、総理大臣の指名、…

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第4章

第4章は連邦に対する規定だ。合衆国憲法の規定を読んでいると気がつくことがある。それは防衛という言葉がかなり使われている。独立をして間もなく軍隊もない小さな州政府が自らの自治をある程度制限しても、連邦を組織した理由は国土と国家体制をなんとか護りたいという切なる願いのような気がする。それが合衆国憲法を制定した国民意志なのだろう。


第4章[連邦条項]

第1条[十分な信頼と信用条項]

各々の州は、他のすべての州の一般法律、記録および司法手続に対して、十分な信頼と信用を与えなけ ればならない。連邦議会は、一般的な法律により、これらの法律、記録および司法手続を証明する方法な らびにその効果につき、規定することができる。

第2条[市民権条項、逃亡犯罪人・奴隷の引渡し条項]

[第1項] 各々の州の市民は、他州において、その州の市民が享有するすべての特権および免除を等し く享有する権利を有する。

[第2項] いずれかの州において反逆罪、重罪その他の犯罪につき告発された者が、裁判を逃れて他州 で発見された場合には、その逃亡した州の執行部の要求があれば、当該犯罪につき裁判権を有する州に移送するために、この者を引き渡さなければならない。

[第3項] 1 州において、その州の法律によって役務または労務に服する義務のある者は、他州に逃亡 しても、その州の法律または規則によってかかる役務または労務から解放されるものではなく、当該役務 または労務を提供されるべき当事者からの請求があれば、引き渡されなければならない。[修正第13 条で改正]

第3条[新州および連邦財産条項]

[第1項] 連邦議会は、新しい州がこの連邦へ加入することを認めることができる。但し、連邦議会お よび関係する州の立法部の同意なしに、既存の州の領域内に新州を形成し、または2 つ以上の州もしくは その一部を合併して1 つの州を形成することはできない。

[第2項] 連邦議会は、合衆国に属する領有地その他の財産を処分し、これに関する必要ないっさいの 準則および規則を定める権限を有する。この憲法中のいかなる規定も、合衆国または特定の州の請求権を 損なうように解釈されてはならない。

第4条[共和政体条項]

合衆国は、この連邦内のすべての州に対し共和政体を保障し、侵略に対し各州を防衛する。合衆国は、 州の立法部または(立法部が集会できない…