平和安全支援法 ーこんな法律で自衛隊は戦えない。

反対派が「戦争法案」と揶揄する法律案の正式名称は「国際平和共同対処事態我が国が実施する諸外国軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」である。(衆議院のリンク)この法案を読んで何故に戦争法案という呼び名で呼ばれるかが理解できない。ラップ調のシュプレヒコールをあげていた学生たちの多くは法案を読んでいないか、もしくは読めないかー大学生だから文字くらいは読めると思うのだが…。

私の率直な感想は我が国はまだこの程度の軍事力行使しかできないのか!というものだ。注目したのは、武器の使用を定めた第11条の4項、
第一項の規定による武器の使用に際しては、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条又は第三十七条の規定に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
軍隊の活動に刑法が引用され適用されているというのはどうゆうことだろうか?その刑法36条と37条を確かめてみると、
(正当防衛)
第三十六条  急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2  防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

(緊急避難)
第三十七条  自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2  前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
自衛権の発動なのだから自衛隊の行為そのものが国家としての正当防衛なのだから、個々の隊員の行為をいちいち刑法で禁じる必要があるのか?ましてや日本の国内法が及ばない紛争地域での活動であるのだから、その違反をどう処分するのだろうか?

国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律より、少しは活動し安くなったのだろうが、こんな法案で派遣される自衛隊は、日本代表だけタックル禁止のラクビーか、ヘディングだけのサッカーのようなものだ。

他、第2条2項に、
対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。
これは日本国憲法第9条を意識した条文だろう。
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
武力による威嚇とその行使を永久に放棄しているわけだから当然の条項だろう。野党リベラル、反安倍総理派が紛糾したのは、自民党のパンフレットにある、新3要件のようだが、
  1. 我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は 我が国と密接な関係にある他国に対する武力 攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅か され、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が 根底から覆される明白な危険があること 
  2. これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を 守るために他に適当な手段がないこ
  3. 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
武力による威嚇と行使は行けないのだが、それが密接な関係国であり、かつ我が国もしくは国民に致命的な脅威であるときはそれ最低限排除するような武力行使ができる、という内容だ。

私は剣道を嗜むが、ー武道やスポーツをする人ならわかるだろうが、最低限の行使で相手に勝つことができるのは、実力差が相当ある場合だけで、実力が格上ならば当然、拮抗している場合でも、死にものぐるいで戦わなければ、勝つことなどできない。

敵が本気で戦いを仕掛けていて、こちらが必要最小限の実力行使で勝てる戦いなどあるわけがない。つまり自衛隊員に最低限の実力行使パフォーマンスをやって死ね、と命令しているのが、平和安全支援法になる。しかしPKO法よりまた一歩普通の国へ階段をのぼることができたことは、安部総理に感謝したいと思う。

SEALDsの若者たちや一緒にデモをやった若者や野党党首はこの法律で海外に派兵されてみたらいい。きっと自衛隊に助けを求めるのが落ちだろう。

人気の投稿