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知的財産権の基礎 ―日本ボロ負けの仕組み

知的所有権"Intellectual property”は工業所有権”Industrial property”との整合性からそのように訳されることが一般的だが、法的概念から云へば知的財産権と訳したほうがよいという意見があるので、よって、この投稿は知的財産権で統一することにする。

知的財産権の概要

世界知的財産権機関" World Intellectual Property Organization、WIPO”は条約の第2条で知的財産権の定義が規定されている。
  • 文芸、美術及び学術の著作物
  • 実演家の実演、レコード及び放送
  • 人間の活動のすべての分野における発明
  • 科学的発見
  • 意匠
  • 商標、サービスマーク及び商号その他の商業上の表示、不正競争に対する保護に関する権利、産業・学術・文芸・美術の分野における知的活動から生ずる他のすべての権利
具体的には、特許権、実用新案、商標権、サービスマーク、商号、意匠権、不正競争防止法、著作権、企業秘密(トレード・シークレット)などで、工業所有権の分野に含まれるのは、特許権、実用新案、商標権、意匠権、不正競争防止法などで認められる権利だ。工業所有権四法とは特許法、実用新案法、意匠法、商標法になる。之と対峙して著作権がある。近年では半導体の配列、植物の品種、レンタルビジネス、インターネットなどそのカバーする範囲は拡がっている。

米国の戦略

知的財産権強化の動きをプロパテントといい、米国は1970年代まで独占を禁止する、アンチプロパテントの傾向にあった。しかし1980年代、いわゆる双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)対策としてレーガン政権時代に政策を転換、プロパテントがに方向転換することになった。

1982年、特許事件の判例統一を目的として連邦巡回控訴裁判所(CAFC)を新設した。これにより日米間で特許紛争が勃発して、TI社と日立、東芝やIBMと富士通など日本企業、ハネウエル社とミノルタの巨額賠償裁判、1988年にはいわゆるスーパー301条による対象国への報復措置などが一面を飾ったことを記憶している方は多いだろう。

特筆すべきは、1988年の法改正でUSTR(米国通商代表部)に大幅な権限を付与し包括通商法182条、いわゆるスーパー301条に基づく調査権だ。これによりアメリカ製品の知的財産権を侵害しているとして国際知的財産権連盟(IIPA)は包括通商法スーパー301条の対象国として中国、韓国、インド、台湾を名指しし、損害は146億ドルにのぼるとした。

さらに関税法337条の改正によって不正な競争の排除要件を知的財産権事案において、申立人に有利な改正を実施、投資要件の緩和を行うことにより国内産業の保護強化を図った。1989年、米国ビジネスソフトウエア協会(BSA)は加盟6社で設立され、台湾、シンガポールなどの企業に著作権侵害で訴訟を起こした。

ちなみにアップル社(1977年)とマイクロソフト社(1975年)は、1988年アップル社から著作権侵害の提訴、1995年にアップル社が敗訴以来、敵対関係にあったが、1997年兩社は和解協調体制をとることになる。このころから米国企業は特許侵害による輸入や販売差し止めなどを求める戦略から巨額な賠償を求める戦略へ切り替えたと云へる。この戦略転換によって日本企業は米国企業へ巨額の賠償を請求され、和解金として数百億円を支払う例も発生した。

訴訟は企業ばかりでなく個人も高額の特許使用料金を請求する事例も出て1990年代の日本企業はバブル崩壊の痛手とともに、巨額賠償のリスクに怯えることになった。これらは米国の陪審制度、特許基準の甘さ、国防政策としての特許政策などが米国連邦政府主導で行われ、日本政府企業の対策が遅れたことが、敗因の一つにあげられる。

これらの経緯が本年の米韓FTA、そしてTPPなどにおける知財部門の要求の根拠となっていることはお分かりだろう。

合衆国憲法第1章[立法部]第8条第8項

著作者および発明者に対し、一定期間その著作および発明に関する独占的権利を保障することにより、学術および有益な技芸の進歩を促進する権限。

米国は1980年代からアンチプロパテントから政策転換をしたと指摘した。ちょうどレーガン大統領時代なわけだが、レーガン大統領と云へば、英国サッチャー首相と同時期で、両名はハイエクやフリードマンといった、新自由主義(neoliberalism)あるいは新保守主義(Neoconservatism)的な政策を推進したのは周知の通り。そのレーガンがそれまでの競争重視の独占禁止政策を捨てて保護主義的に政策転換したのは双子の赤字解消という「市場の要求」だった。

米国企業の特許戦略

ゼロックス社は1975年、FTC(連邦取引委員会)の勸告に因つて、ゼログラフィーのライセンス化を強要され、その後日本メーカーの廉価品が津波のごとく押し寄せて市場優位を失つた。同じくPCのOSにおけるGUIの基本的な技術を発明しているが、特許化を躊躇し―先のFTCの勸告が尾を引いて、その後マイクロソフトやアップルに出し抜かれることになる。損失は5億ドルと云われている。

1980年代の米国企業のプロパテントはおもに防衛目的だつた。つまり自社技術をライバル会社に使用させない(独占排他権)ということが目的だつた。1990年代に入り、弁護士出身のクリントンが大統領に就任すると「スーパー情報ハイウエイ構想」を打ち出し、それとともに経済安全保障と銘打つて、国家安全保障に関わるハイテク技術を保護するため、特許基準を甘くしたり、あるいは陪審員制度を巧みに利用した、訴訟戦略で米国企業は他国を圧倒し始めることになる。

パテント・トロールの出現

パテント・トロールという言葉を知つておられるだろうか?大半の方が初めて耳にする言葉だらう。トロールというのは北欧神話の怪物のことで、他にパテント・エクストーショニスト(強奪者)やパテント・パイレーツ(海賊)、パテント・マフィアなどとも呼ばれている。カナダのトロール、NTP 社が、ブラック・ベリーを製造販売するRIM 社と5 年間の法廷闘争の末に、6 億1 千2 百万ドル(約550 億円)という和解をした事例がある。米国の弁護士ヘンリー幸田氏は論文で、トロールの特徴として、次の4点を擧げている。
  1. 自ら開発した発明ではなく、他社の所有する特許を入手する。多くは破産の危機に瀕した企業の所有する特許権を低価格で入手する。オークションを活用する場合も少なくない。
  2. 自ら特許発明を実施する意思・能力・施設を持つことなく、実施する企業に対し警告を発し、あるいは提訴することにより、高額の損害賠償・和解金を要求する。
  3. 組織内に、有益な休眠特許をかぎ分ける能力を持った技術者、係争・交渉経験豊かな弁護士、そして損害賠償の算定に精通した公認会計士(CPA)等のプロを置く。
  4. 自ら実施しないため、相手方企業としては、自社の保有する特許権を根拠とする反訴、あるいはクロス・ライセンスによる交渉の余地がない。
そしてその戦略は以下の7点、
  1. 無数の休眠特許の中から有望な特許を低価格で買い集め、
  2. カテゴリー別にパテント・ポートフォリオを分類し、
  3. ポートフォリオごとに子会社を設立し、
  4. 子会社ごとに目標額を設定した上で投資家を募り、
  5. 標的となる企業(和解に応じやすい)を選別し、
  6. 有利な管轄地(テキサス州東地区、ウィスコンシン州西部等)において提訴し、
  7. 被告企業に迷いの出るタイミングを予測し早期和解を提唱する。
日本企業は1970年代、ゼロックス社を追い込んだ仕返しにパテント・トロールに巨額の訴訟を起こされ和解に応じている。

均等論

日本では平成10年2月24日にボールスプライン軸受事件最高裁判決が出て―判決の影響と真実には差異があるようだ、均等論が日本でも認められた。特許侵害訴訟において、侵害製品が特許製品の一部を変更したものであっても、次の要件によって特許侵害を認めるというものである。
  1. 右部分が特許発明の本質的部分ではなく、非本質
  2. 右部分を対象製品におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達成することができ、同一の作用効果を奏するものであって、作用効果同一
  3. 右のように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が、対象製品の製造等の時点において容易に想到することができるものであり、製造時に置換容易
  4. 対象製品が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれらから右出願時に容易に推考できたものでなく、出願時に推考容易
  5. 対象製品が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的の除外されたものにあたる、意識的除外
  6. などの特段の事情もないときは、右対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属すると解するのが想到である。
※但し特許発明に公知例が存在するときは「均等」の原則は適用しない。

均等論の法理論はプロパテント政策を推進する意味において核心となる理論だ。 米国では1982年CAFC設立と同時に適用されたことによって、その後の米国および米国企業の訴訟を後押しすることになる。

テキサス州東地区マーシャル分署

テキサス州マーシャル市は知財に関わる人達にとっては聖地―三途の川かも知れないが、といえる。2008年度には訴訟件数が全米第1位という。ニューヨークやロサンジェルスを大きく引き離しての結果だ。大型先端技術訴訟だけをピックアップしても、
  • ノースイースタン大学対グーグル(データ探索方法)
  • オプティ対AMD(キャッシュ処理方法)
  • シスコ・システム対ホアウェイ(ソフトウエア)
  • モザイド対ハイニックス(DRAM)
  • パラレル・プロセッシング対ソニー(プレステ3)
  • シャープ対サムスン(LCD)
アップルもグーグルも今ではマーシャル分署のお得意さんだ。ではなぜこんな田舍町に先端技術訴訟が集まるのかの秘密は、原告勝訴率80%という、超原告有利な結果によるという。外国企業―当然我国の企業も、に至つては被告事案では特許権無効とした事案が皆無(2009年時点)という、超偏向地元有利裁判所なのだ。

ヘンリー幸田弁護士は理由として、
  1. テキサス東部の保守的な住民気質
  2. 判事のルール尊守
擧げている。1については省くが、2について、

”連邦地方裁判所には、その地特有ローカル・ルールの適用権限が許される。マーシャル地区裁判所における特質は、極端とも思われるルール遵守方針である。誤解を避けるために言明すれば、厳格なのはルールの中身ではなく、ルールを適用する上での実務にある。特に期日、そして書面の分量、質問項目の数・・・、ルール違反に対し宥恕の余地は皆無に近い。この極端な方針は、実務的に見るとき、被告にとって特に過酷な負担を強いることになる。何故ならば,原告側は提訴前からの準備が可能である。これに対し、被告側は通常、提訴された後に具体的に訴訟対策を開始する。この差は意外に大きい。特に期日の遵守に厳しいため、手続の進行は、他の裁判所地区と比較して遥かに早い。このため準備が遅れがちな被告側の負担は特に厳しくなる。”

こんなからくりでは日本企業はかたっぱしから敗訴だろう。

裁判員制度

ここで面白い推測をしてみよう。2004年5月21日小泉内閣で成立、2009年5月21日に施行された裁判員制度は何故か民事訴訟ではなく、殺人事件、強盗致死事件、傷害致死事件、危険運転致死事件、現住建造物等放火事件、身代金目的誘拐事件、保護責任者遺棄致死事件など重大刑事事件を対象とした。

私のような素人が考えればまず、民事訴訟でスタートさせ、国民が意識も高まり知識も蓄積したところで殺人などの刑事事件へと発展させたほうがより入りやすいと思うが、司法行政官はどうしても殺人事件などを一般国民に司法参加させて、原告からの批判を和らげたいということだなと勘ぐりたくなる。

さらにこの裁判員制度導入には年次改革要望書等の米国からの圧力もあつたと推測される。

しかし市場開放要求し日本がそれに応じた場合、特許訴訟では日米逆転現象が起こり、日本市場内での米国企業の特許侵害で日本企業が提訴するという事案が発生する。

愛国心と復讐心の燃える我国の裁判員は軒並み米国企業敗訴の評決をするだろうから、そうなっては困る米国は民事における裁判員制度導入へ圧力をかけたと推測できないだろうか。

これはあくまでも推測だ。以下の様なやり取りを見ていると當局が必死になっていることが読んで取れる。

裁判員制度の対象が、重大な刑事事件に限定されているのは、なぜですか?

「ボールスプライン軸受事件」の真実
ボールスプライン軸受事件

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―国連軍創設が憲法第9条の要請― 国連常備軍と戦力の放棄は契約 少し過激なタイトルだが、憲法解釈上そういう結論になる。そもそも日本国は「公正と信義に信頼して」自国の安全と平和を確保しようとしたので、自国を防衛するための戦力はいらないと宣言している。つまり国際的に平和を実現するためには、各国が戦力を縮小して、国連常備軍がそれらより強力な唯一の戦力になる必要がある。それが第9条の要請だ。

II War as a sovereign right of the nation is abolished. Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security. It relies upon the higher ideals which are now stirring the world for its defense and its protection.

No Japanese Army, Navy, or Air Force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.

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市民は奴隷を支配する権利と引き換えに国家防衛のためには命を捨てなければならなかったのである。諸権利は唯一国家防衛の義務を果たすための利益にすぎないのである。これをこんにちにあてはめれば、国家防衛のための国民の利益であるといえないだろうか。安全保障を他国に譲っている国家は独立国とはいえないうえ、国民すら存在しないといえる。


TPPと慰安婦問題 平成23年11月17日、李明博大統領が来日したが、第一声で慰安婦問題の解決に言及した。これは韓国の憲法裁判所が今年8月に「賠償請求の具体的措置を政府がとってこなかったのは違憲」とする判断を出した事による。これらの賠償に関する諸問題はすでに日韓条約締結時に「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」となっているにもかかわらずだ。

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日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 前文

これから日本国の新憲法草案を提案しよう。どうしてそう思ったかは単純だ、今の日本国憲法は近代憲法の要件を満たしていないと思われるからだ。近代における国家は主権者である国民の国家形成への強い意志によって成り立っているとする。―するとしたのはもっと奥深い部分では違うと考えているが、近代に対応するためにそう仮定することにしよう。

近代思想において国家は、たとえ国民がひとりでも、国民意志があれば形成することができるとされる。しかしそれは利己的な個人意志ではない。五箇条の御誓文で公論と示された、意志を国民主権では民意というのであって、それがなければ近代国家は存在しないのである。さらにその意志は個々人の中にある不条理で熱い志であり、それを顕現しあるいは不当な隷属の強要から擁護されなければならないと考えている。

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しかしこれらの組織は主権者である国民の自由を拘束したり法律を不当に行使したりする可能性があるので主権者は組織に対し、してはいけないことと、積極的にしなければならないことを文書によって命令する、それが憲法の本質なのである。そういう視点をもって世界最初の憲法らしい憲法であるアメリカ合衆国憲法と戦後アメリカの占領下制定された日本国憲法を比較してみよう。

アメリカ合衆国憲法(日本語訳)
前文
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国際関係論で論じられる理想主義

―リベラリズムー 誤解されるリベラリズム リベラリズムほど解釈が多様にある言葉はないと思う。日本語では自由主義と訳される場合が多いのだが、昨今では自由主義とリベラリズムは対立する政治姿勢ともいえる。よって自由主義をリバタリアニズムと呼ぶのが一般的になりつつある。本稿の場合はリベラリズムを社会自由主義的な用法、ようするに国際関係論で論じられる理想主義として論じることにする。




20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)は大戦のような悲惨な戦闘を二度と繰り返さないために交戦国、非交戦国も含めて63カ国が署名した。目的は戦争の違法化、特に侵攻戦争の違法化を目指したが、最終的には侵攻戦争を非難するにとどまった。




貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。

リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま…

日本国憲法改正提案Ⅳ

―戦争って放棄すればなくなる?― 天声人語の強制は憲法違反 そのⅢまで如何だろう? 僕が受験生のころ、―昭和56〜57年、先生が「朝日新聞の天声人語を読んでおけ、必ず試験に出るからな。」これってすごいね。この次の稿では、権利について検討するが、この発言は明らかな権利侵害だ。ある特定の新聞のある特定の筆者が書いた私見を、そのまま疑いもしないで試験では正解として書け!ということなわけだから。当時は朝日新聞に書いてあることが、受験に出題される「正解」だったのだ。

自衛隊を否定すれば卒業! ある先生に、昭和40年代から50年代まで、大学の卒論で自衛隊の悪口を書けば、評価されたと来たことがある。もちろん、すべてではないだろうが、時代の雰囲気はそんな感じだったのだろう。受験生の僕のために、朝日新聞を購読していた、母親も見事に影響を受けて、いまでもそれは変わってない。

僕は、それはそれで仕方のないことだと思う。物事の良い悪いは、自らの経験や信仰、影響を受けた人や情報で判断する。ただ、事実や法律的な合法違法はあきらかなので、―これは司法の稿で説明するが、事実に基づく判断、法律に基づく判断は、国民として身につける必要はあるだろう。


なぜ男はだめなのか? 出来れば女性に読んでもらいたい。それは、―あくまでも僕、個人の経験だが、男はどうしょうもないから生きんのだと思う。男性全員が、そうだとはいわないが、―あくまでも、僕レベルの男性は、政治に興味がない。興味の方向はの女性だけに向いている。

何をするにも基準は「女性にもてたい」か「格好良いと思われたい」くらいだろう。音楽をやるのも、スポーツをやるもの仕事で出世するもの、究極の目的はそれ以外にない。天下りを斡旋して首になったどこかの省の次官が、次官になっても、キャバクラの特定の女性に入れあげたなんてのもそう、先生に反抗するのも究極、それしかない。だから男に憲法が…、と話してもなかなか興味はひかないと思う。

そういう僕も、Anarchy in the UK ―ちなみのコックニーではナナキーと発音します、を歌ったり、スターリンというバンドが好きだったりしましたので、あまり人のこといえないが…。若いうちと現在の考え方は変わって当然です。ですから今、こんな考え方もあるんだぁ〜、程度に読んでもらいたい。

では、女性はどうだろう。僕は女性…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

国家とはなにか

―言葉による混乱― 家族、社会、国 国家は、ヘーゲルの分類のよれば、家族や会社から構成される社会とは区別され、ウエーバーは正統性がある継承によって形成された一定の領域を暴力に関する権威・権限を行使する単独の主体(国家)と定義している。国家とは政府組織であり社会とは区別される。State の訳語として国家があてられているように、国家とは政府、議会、警察、官僚、裁判所などの機関を有する統治権力のことを指す。


国民、国家 人間は子孫を残すため家族をなし生活する。そのような家族が一定の習慣や宗教によってある領域内で集団となったものが共同体だ。そして多少の習慣や宗教的違いを包括した地域を「国」と呼ぶ。「国」の住人が「民族」であり、近代はこの集団=民族を統治する権力が組織され「国家」と呼んだわけだ。そして、民族は「国民」となったのである。日本語に State と Country や Nation を区別する言葉なないのは、憲法議論などを混乱させている要因の一つだろう。



領域、人民、権力 国際法で定義されている「国家」もその地域を統治する政治組織のことを指す。つまり内外に干渉されず国民を正統性のある統治機構のことを国家という。国際法では、領域、人民、権力の三要素が承認の条件ともなる。
ある程度以上確定された一定の領土を持つこと。国民が存在すること。統治機構を持ち実効的支配をしていること。 このように国家は強大な権力を有していなければならない。つまり外に対しては自衛力、うちに対しては秩序維持の警察力が国家の基本となることがわかるだろう。
国、天皇 我々の「国」は、国ヲ肇ルコト宏遠ニと教育勅語にあるように神武天皇が肇国した世界最古の「国」だ。天皇は「治らす」存在として祭政一致の統治者として政にあたり、明治維新によって近代的な君主となった。日本国は憲法以前に存在しているという事実は憲法が国の形に(その事実に)その権力を及ぼしてはいけないということだ。
社会、天皇 国家は社会と対峙する存在とまではいえないが社会に対し強制力がある。さらに国民の自由を拘束することができる。しかし憲法の規定により組織される政府は憲法を制定している、正統性を有する権威を否定出来ないしまた、それを変更できない。明治憲法における第1章天皇条項の1条から3条はそのことを明記した条文だ。

つまり天皇の身体を不可侵…

日本国憲法改正案条文の解説 第2章 権利

権利は外在的言語に過ぎないので獲得するのもである。 権利は鎧である 第2章は国民の権利だが、この章では、現行憲法より多くの人権を規定して国民の福祉向上に寄与しようとしている。権利カタログは条文ではなく、条項で列記しているのは大きな改正点だ。


第2章 権利
第15条[国民の要件]日本国民は、日本国籍を有するものとする。
あまりにも当然の規定なのだが、昨今二重国籍で問題になっている議員がいるように、この後の条文で議会議員要件は明確化したい。

次に権利の具体的規定だが、学説の争いをなくすために、日本国民の権利、制限できる権利、万人の権利に分けた。婚姻や選挙、教育、就労などの権利は公共の福祉の観点から年齢制限を課しているのでわけることにする。第17条は日本国民固有の権利として憲法がその擁護を宣言した。

日本国憲法改正案 第2章 権利
第17条[国民の権利]次にあげる基本権は、国民の権利として、日本国民に保障する。個人として尊重され自由かつ幸福を追求すること。
2 むやみに生命を奪わず、健康で文化的な生活を営むこと。
3 平等であること。
4 人種、信条、性別、社会的身分又は出生により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないこと。
5 財産を自由に処分し、また不当に奪われないこと。
6 居住、移転及び職業選択の自由を侵されないこと。
7 外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されないこと。
8 拷問及び残虐な刑罰に処されないこと。
9 公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し請願すること。

日本国憲法の諸テキストを読んでも、人権に関する解説に重点を置いている。私は人権に関して、米国的な自然権思想よりは仏国的な行政権の抑止的な立場に立っている。それは英国的な国民の権利と親和性が高いが、あくまでも人造の鎧のようなイメージを持ってる。

個々人が武装して個々人のバランスオブパワーによる、社会秩序の維持を目的としている、自然権的人権思想は、やはり米国的といえる。ところが第二次大戦において、独国が行った人権侵害は、欧州において、議会による人権保護から法律からの保障という、新しい次元の人権に昇華した。現在の日本は国際人権規約を批准しているので、憲法はその規約を誠実に尊守する必要がある。

いずれにせよ、欧米の人権思想の奥には…

日本国憲法改正案条文の解説 ―第4章 立法権

二院制の必要ある? 二院制は基本的に王国で貴族などの制度があるときに、貴族院と庶民院、ー英国、もしくは連邦制国家が国民代表と各自治体の代表、―独国や米国、というようなときに必要とされる。北欧諸国が王政の制限と平等原理の徹底によって、二院制から一院制への移行をしているように、日本国も天皇の権限の制限と貴族制の廃止は、一院制の十分条件である。


第4章は立法権を規定している章である。冒頭説明したが、現行憲法の二院制はGHQ案では一院制であった。

Article XLI. The Diet shall consist of one House of elected representatives with a membership of not less than 300 nor more than 500.


GHQ案が手交されたのち、日本政府下で、憲法改正を議論したのは憲法問題調査委員会だ。その議事で、「二院制を維持すべきであるが、従来の貴族院の権限に制限を加え、その構成を民主的なものに改めるべきだ、との意見が支配的であった」、「その名称についても、「上院」「第二院」「元老院」「特議院」「審議院」「参議院」など様々な案が出されたが、「参議院アタリガ無難」だということになった」という。
GHQ民政局が起草した案は「日本の政治の発達状況をみても、簡明性という点からも、一院制を提案するのがよいとの結論に達した。」としているが、これは、貴族制度が廃止されること(マッカーサーノート)、日本は連邦国家でないこと、第一院と第二院の間の争いが生じるおそれがあることなどの理由によるものであったとして、非常に理にかなっている。

参議院の設置理念を金森徳次郎国務大臣は、「衆議院に対する抑制的機能を前提として、知識経験のある慎重熟練の士を求めることにある」とした。この理念は現在、踏みにじられている。障害のある子供をほったらかして、市会議員と一線を越えないまでも、ベッドをともにして開き直ってる議員、二重国籍が確定しても、努力義務なのでと、戸籍を公表して居座る議員、そのほか議員資格に???が付く参議院議員が多い。

原点に返って一院制にすることが最初の目的である。また議会の権限と権能を規定すること。特に現行憲法には全く規定のない貨幣造幣権や度量衡、暦、徴税権、軍の編成権など権限、総理大臣の指名、…

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第4章

第4章は連邦に対する規定だ。合衆国憲法の規定を読んでいると気がつくことがある。それは防衛という言葉がかなり使われている。独立をして間もなく軍隊もない小さな州政府が自らの自治をある程度制限しても、連邦を組織した理由は国土と国家体制をなんとか護りたいという切なる願いのような気がする。それが合衆国憲法を制定した国民意志なのだろう。


第4章[連邦条項]

第1条[十分な信頼と信用条項]

各々の州は、他のすべての州の一般法律、記録および司法手続に対して、十分な信頼と信用を与えなけ ればならない。連邦議会は、一般的な法律により、これらの法律、記録および司法手続を証明する方法な らびにその効果につき、規定することができる。

第2条[市民権条項、逃亡犯罪人・奴隷の引渡し条項]

[第1項] 各々の州の市民は、他州において、その州の市民が享有するすべての特権および免除を等し く享有する権利を有する。

[第2項] いずれかの州において反逆罪、重罪その他の犯罪につき告発された者が、裁判を逃れて他州 で発見された場合には、その逃亡した州の執行部の要求があれば、当該犯罪につき裁判権を有する州に移送するために、この者を引き渡さなければならない。

[第3項] 1 州において、その州の法律によって役務または労務に服する義務のある者は、他州に逃亡 しても、その州の法律または規則によってかかる役務または労務から解放されるものではなく、当該役務 または労務を提供されるべき当事者からの請求があれば、引き渡されなければならない。[修正第13 条で改正]

第3条[新州および連邦財産条項]

[第1項] 連邦議会は、新しい州がこの連邦へ加入することを認めることができる。但し、連邦議会お よび関係する州の立法部の同意なしに、既存の州の領域内に新州を形成し、または2 つ以上の州もしくは その一部を合併して1 つの州を形成することはできない。

[第2項] 連邦議会は、合衆国に属する領有地その他の財産を処分し、これに関する必要ないっさいの 準則および規則を定める権限を有する。この憲法中のいかなる規定も、合衆国または特定の州の請求権を 損なうように解釈されてはならない。

第4条[共和政体条項]

合衆国は、この連邦内のすべての州に対し共和政体を保障し、侵略に対し各州を防衛する。合衆国は、 州の立法部または(立法部が集会できない…