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朝鮮人民軍の実力


北朝鮮軍事の組織

2010 年 11 月 23 日、韓国が黄海上の軍事境界線と定める北方限界線 (NLL)に近い韓国西方沖の延坪島と周辺の黄海水域に、北朝鮮側が砲撃。100発以上が着弾し、民家が炎上。韓国軍も80発以上を応射。韓国軍の兵士2人と民間人 2 人の計 4 人が死亡、兵士 16 人、民間人 3 人の計 19 人が重軽傷を負った事案は、韓国の世論にのみならず、日本の世論も激高させる事になった。

行進する北朝鮮人民軍女性兵士
2002 年の小泉訪朝により、一時政権与党でもあった日本社会党は、朝鮮労働党との友好関係の実態が知られることになり、解体の原因ともなった。朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第 11 条には「朝鮮民主主義人民共和国は、朝鮮労働党の指導の下にすべての活動を行う」と規定されており、朝鮮労働党は国家の行政機構より上位にあって、事実上の一党独裁制を現在でも堅持している。

党の最高ポストは総書記で、現在は金正日である。1998 年の憲法改正で国防委員会が事実上の国家の最高指導機関と位置づけられ、金正日は党軍事委員会とともに国防委員長であり、事実上の北朝鮮国家の最高権力者である。朝鮮人民軍は「党の軍事政策を遂行する方策を討議・決定し、朝鮮人民軍をはじめとする武力全般の強化と軍需産業の発展に関する事業を指導し、我が国の武力を統括する」として、党中央軍事委員会隷下に置かれており、党規則上は党の軍隊である。統帥権は国家機関の国防委員会にあるために実質的には金正日「首領の軍隊」と言える。



朝鮮労働党の軍事組織

軍事組織は複雑で国防委員会の隷下に人民武力部と国家安全保衛部が置かれている。また内閣の隷下には人民保安部(警察機構)がある。人民武力部の隷下に総政治局、総参謀部、保衛司令部がある。総参謀部隷下に三軍がある。党中央委員会は中央軍事委員会を通じて総政治局に影響力を持ち、間接的に三軍に影響力を行使する。

北朝鮮国家は運営の全てを党の指導のもとに行うことになっているのだが、現在では形骸化しているようだ。実質的には国防委員会が実質の最高意思決定機関であり、1998 年の憲法改正では国家主席が廃止され国防委員長が国家最高職となった。よって国防委員長兼人民軍最高司令官である金正日一人に決定権が集中している。

人民武力部は国防省にあたり、軍事全般を統括して、対外的には軍事部部門の代表機関であるが実質的には総参謀部が陸海空の三軍を指揮する。

参謀部には作戦、偵察、工兵、通信、科学、軽歩兵教導指導、砲兵教導指導、隊列補充、幹部、機務、地質、兵器、軍事動員、軍事発展、軍事訓練、核化学防衛、指導自動化の各部局がある。しかし戦時には人民武力部に指揮権はなく最高司令官の金正日が、最高司令部を通じて全部隊を直接指揮する。

総政治局は実質人民武力部と同列であり、徹底した監視が行なわれる。北朝鮮では人民の蜂起による体制転覆は考えられないが、唯一その可能性を保持しているのが軍であるからだ。総政治局には金正日の側近中の側近が配置されている。それらの側近以外は党のどの組織も軍に干渉できないよう政治統制を一本化している。

保衛司令部はクーデターの防止を目的に軍内の厳重な監視体制を行っている機関である。中隊レベルに指導員を小隊レベルに情報員を配置し、監視、動向分析、指導を行っている。

朝鮮人民軍の組織

朝鮮人民軍の地上軍は約 100 万と言われ、第 1 軍団から第 12 軍団の 12 個軍団と平壤防衛司令部、4 個機械化軍団、2 個砲兵軍団、1 個戦車軍団である。

海軍は東海艦隊の 6 個戦隊と西海艦隊の 10 個戦隊、計 16 個戦隊を保持している。地理上の制約で両艦隊による連携した作戦は行えない。総兵力は約 6 万人であり、水上戦闘艦(警備艇、ミサイル艇、魚雷艇、火力支援艇)が 430 隻、潜水艦 24 隻、小型潜水艇を含めると  90 隻を保有している。

その他、上陸艦(挺)を  270 隻、その他艦艇を 200 隻保有している。特に 2 個海上狙撃師團を保有し、エアクッション艇を 140 隻配備している。エアクッション艇は国産で 1 隻で特殊部隊 1 個小隊を奇襲上陸させる能力がある。

空軍は戦闘機 790 機、爆撃機 80 機、支援機 520 機、ヘリコプター 320 機を保有し、6 個飛行師團総兵力 8 万人である。主力戦闘機はMiG-15、MiG-17などが 45 %、その他MiG-19、MiG-21、MiG-23、MiG-29である。MiG-29などの新鋭機は 60 機程度である。

朝鮮人民軍の士気

しかし脱北軍人の証言では試作として造られたMiG-26やMiG-32といった偶数番号の戦闘機を多数保有している。また氣球やハンググライダー部隊も創設されていて、特殊工作員を氣球やハンググライダーでレーダーに察知されず韓国本土へ侵入することが出來るとされている。

餘談であるが戦闘機パイロットは沖縄の米軍基地を攻撃するときはイカ釣り用の道具が支給されるという。燃料がもたなため墜落したときはそれで生き延びて工作にあたれということらしい。この他に朝鮮人民軍は 12 万 2 千人という世界最大規模の特殊部隊を保有している。特殊部隊は食料の配分もよく、給料は 2 ~ 7 倍だと言われている。

1996 年に発生した江陵潜水艦座礁事件では逃亡した 26 人の乗組員の搜索に韓国政府は 9 月 18 日から 11 月 7 日、1 日 6 万人を動員して掃討戦を展開したが全員を逮捕できず、DMZ まで 10 キロの地点まで到達され、工作員は逃亡中に韓国軍司令部や橋梁などの撮影をしており、その野力と士氣の高さをしめした。朝鮮人民軍の常備軍総兵力は 114 万人で、これに韓国軍 67 万人、在韓米軍 3 万 5 千人、自衛隊 24 万人が 38 度線を挟んで対峙している。

朝鮮人民軍の実力

私は、朝鮮人民軍が「世界最強」と思っている。その説明を以下にする。

極東の軍事バランス

朝鮮人民軍は確かに、韓国軍、在韓米軍、自衛隊を合計した兵力数より大きいが実質な装備は旧式化したものが多く、燃料不足で訓練もままならないという。例えば空軍のパイロットなどは年間数十時間しか飛行できないとも言われている。そのような中、核ミサイル開発にはふんだんに予算をかけている。

朝鮮人民軍のミサイル師団

1999 年にミサイル師団を部隊から格上げして編成している。北朝鮮弾道ミサイルの最高機密―標的は東京! 李福九著 (徳間文庫)は北朝鮮の軍事通信技術者としてミサイルの制御に関わった脱北将校の著書だが、北朝鮮のミサイル技術は我々日本人が想像する以上に高度であり、進んでいると言わざるをえない。

朝鮮人民軍が保有するミサイルはスカッドミサイル、ノドンミサイル、テポドンミサイルがあり、射程 300 キロのスカッド B と射程 500 キロのスカッ  ドC が合計 600 基、射程 1,500 キロのノドンミサイルを 200 基保有し、射程 12,000 キロのテポドン 3 号がまもなく完成すると言われている。



先出の著書の作者は北朝鮮が開発しているテポドンミサイルは射程 1,200 キロ 3 段液体燃料などではなく、全長 32 メートル、射程 4 万キロ 9 段式固定燃料ロケット装備で彈頭は9個の小型ミサイルで 1 発で米国主要都市を破壊できるという。

大型ミサイルは地下発射台に格納されており、中朝國境側の基地に配備されているという。スカッドミサイル用にはTEL(Transport Erector Launcher :運搬・起立・発射車両)を 30 両配備している。これらの移動発射台には日産ディーゼルの大型トラックが転用されたと米国防情報局(DIA)の文書から明らかになっている。

移動式発射台のスカッドミサイルは韓国内を、中朝国境付近のミサイル基地に配備された、射程 1.500 キロのノドン 1 号は東京を射程内に、地下発射台に配備予定のテポドン 3 号は米国を射程内に入れていることになる。我國と韓国はこれらのミサイルに対抗するためイージスシステム搭載艦および PAC-3 を導入している。

ミサイル迎撃にはイージス艦による中間飛行局面破壊が理想であるが、米軍の通信はリンク 16 を使用しており、我國をはじめ米国の同盟國はリンク 11 を使用しているため細部に渡る迅速な指揮統制が出来ないでいる。

しかし現段階では米韓軍、米国第 7 艦隊、自衛隊の装備、練度は朝鮮人民軍を圧倒していると見方が強い。―唯一自衛隊の実戦経験の無さ、日本の法制上の不備は米韓日にとって致命傷になりかねない。ではなぜ筆者は朝鮮人民軍を世界最強としたのか、それを説明する。北朝鮮は 1960 年代から人民武装化政策によって、大規模な準軍事組織を構築している。4 歳から 60 歳までを動員対象として年間 15 日から 30 日間の訓練を実施している。

教導隊は 17 歳から 45 歳(女性は 17 歳から 30 歳)で組織され、有事には正規師團の増援、平時には後方の防衞が任務である。総兵力は 170 万人と言われている。退役軍人も編入されるのでほとんど正規軍と変らないと言える。火氣は AK 銃を 100 %装備し 82 ミリ、120 ミリ、76.2 ミリ砲、対空砲などを装備、正規軍の 80 %程度の兵器保有である。訓練は野外戦術、総合訓練、兵科別訓練、合同演習などで動員訓練 30 日、自衛訓練 10 日の年間 320 時間である。

労農赤衞隊は 1959 年に創設され、46 歳から 60 歳の教導隊除隊者を対象に労働者、事務員等で職場単位毎に組織され、指揮官には労働党責任書記があたり、動員時には個人用として AK 銃が支給される。また機關銃、高射砲、迫撃砲などが部隊単位に支給される。通常の予備役である。訓練時間は動員訓練が年間 240 時間、自衛訓練が 120 時間(両方で30日間)、定期訓練を月 1 回以上実施している。兵員数は 400 万以上と言われている。

赤い青年近衛隊は満 14 歳から 16 歳の高等中学校  5年、6 年の男女を対象とした軍事組織である。学校単位で中隊や大隊が編成され夏休み等の 7 日間の集団訓練と、年間160時間の校内軍事教育訓練を実施している。訓練には AK 銃を 100 %、共用として機關銃、迫撃砲が支給される。主要な任務は反革命分子の排除、北朝鮮政権の親衛隊としての先導的役割、有事には初級幹部の予備隊及び決死隊として任務を遂行する。兵力は約 100 万人である。

これら約 800 万人の準軍事組織の他、国境警備隊、海岸警備隊などの警察組織も正規軍並みの訓練を実施している。金正日の護衛には護衛司令部 5 万人があたり、さらに労働党中央委員会護衛部第六処所属の要員 1200 名は密着して警備に当たっている。

何らかの要因で北朝鮮が軍事行動を始めるとすればまず、スカッドミサイルや 122 ミリ榴弾砲による集中攻撃であろうが、DMZ の突破には最低 1260 発 27. 5トンの彈藥が必要とされている。しかしこれでもDMZ付近に配置された韓国軍を全滅に追いやることは困難だろう。韓国軍に 30 %の損害を与えるには、10,4615 発、2280 トンの彈藥が必要だという計算もある。

これらの攻撃の間には韓国軍のミサイルや第 7 艦隊潜水艦からの対地ミサイル、艦載機による爆撃などで、瞬く間にミサイル基地は叩かれるであろう。當然朝鮮人民軍の空軍などは米韓軍の航空戦力の前に手も足も出ず、制空権は韓国側が取得するはずである。

最大の脅威はテポドンミサイルである。先出の脱北技術者李福九はミサイルの命中精度を上げるため日本国内に潛伏させている、工作員が米軍基地や原發に誘導装置を取り付ける計画であると言っているが、イージス艦からの発車直後の迎撃によって、これらもそれほど脅威にはならないであろう。これらの近代戰では朝鮮人民軍は米韓日の前には歯がたたないのである。

軍事施設は地下にあり爆撃に対しかなりの生残性を有するであろうが、彈藥や食料には限りがあり補給が途絶えた状態では戦闘にならないであろう。ではなぜ世界最強か、それは説明したとおりの準軍事組織なのである。北側を占領進駐した米韓軍は市民の顔をした兵士と対峙することになるのである。北朝鮮人民は拳銃を所持していて、その撃ち方の訓練を受けている。そして 14 歳の学生も機關銃や迫撃砲の扱いを知っていて、60 歳まではほど現役の兵士同様な訓練を受けているのである。

そのなかにたかだか 70 万程度の人数が進駐しなければならないと考えると、イラクの比ではないゲリラ戦が展開することは明らかであろう。その中には 14 歳の女性兵士が米軍兵士や韓国軍兵士に射殺される映像がインターネットを通じて世界に配信される。米國や韓國、我國の世論はそれに耐えられるであろうか。また國民 3 分の 1 が予備役とは言え一般人民もおり、解放を喜んで受け入れる人民と徹底抗戰を誓う人民をどう見分けるのか。一般人の殺害も相当多数行われる筈である。それに世界の世論は耐えられるであろうか。すべての答えはおそらくノーである。

その他12万7千の特殊部隊は高度に訓練されており、これらが韓国国内、日本国内などに潜伏して破壊活動を開始したらどうであろう。かれらは生物化学兵器を使用するかもしれない。こう考えると近代戰では圧倒的に勝利してもその後に展開される肉彈戰では文明国である日韓米は、国家的なアルカイダ国民皆兵国家北朝鮮に歯がたたないと考えるのが妥当でなないだろうか。

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日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 前文

これから日本国の新憲法草案を提案しよう。どうしてそう思ったかは単純だ、今の日本国憲法は近代憲法の要件を満たしていないと思われるからだ。近代における国家は主権者である国民の国家形成への強い意志によって成り立っているとする。―するとしたのはもっと奥深い部分では違うと考えているが、近代に対応するためにそう仮定することにしよう。

近代思想において国家は、たとえ国民がひとりでも、国民意志があれば形成することができるとされる。しかしそれは利己的な個人意志ではない。五箇条の御誓文で公論と示された、意志を国民主権では民意というのであって、それがなければ近代国家は存在しないのである。さらにその意志は個々人の中にある不条理で熱い志であり、それを顕現しあるいは不当な隷属の強要から擁護されなければならないと考えている。

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しかしこれらの組織は主権者である国民の自由を拘束したり法律を不当に行使したりする可能性があるので主権者は組織に対し、してはいけないことと、積極的にしなければならないことを文書によって命令する、それが憲法の本質なのである。そういう視点をもって世界最初の憲法らしい憲法であるアメリカ合衆国憲法と戦後アメリカの占領下制定された日本国憲法を比較してみよう。

アメリカ合衆国憲法(日本語訳)
前文
われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。The Constitution o…

国際関係論で論じられる理想主義

リベラリズムほど解釈が多様にある言葉はないと思う。日本語では自由主義と訳される場合が多いのだが、昨今では自由主義とリベラリズムは対立する政治姿勢ともいえる。よって自由主義をリバタリアニズムと呼ぶのが一般的になりつつある。本稿の場合はリベラリズムを社会自由主義的な用法、ようするに国際関係論で論じられる理想主義として論じることにする。

20世紀の戦争 20世紀は戦争の世紀と呼ばれるように産業革命による技術革新が戦争を巨大化、無慈悲化させた。世界は巨大化・無慈悲化する戦争に対して、一定の規則を締結したが、その後に勃発した第一次世界大戦は大規模かつ無慈悲な消耗戦によりヨーロッパ社会に大きな衝撃を残した。

第一次世界大戦の塹壕戦や化学兵器の使用は、ただ敵を消耗させるための戦略で、それまでの戦争とは様相が大きく変化した。戦争は国家が軍に命令して、軍が名誉をかけて行う営みから、国家国民全体で行う営み全体戦争つまり総力戦へと変容した。

パリ不戦条約(戦争抛棄ニ関スル条約)は大戦のような悲惨な戦闘を二度と繰り返さないために交戦国、非交戦国も含めて63カ国が署名した。目的は戦争の違法化、特に侵攻戦争の違法化を目指したが、最終的には侵攻戦争を非難するにとどまった。


貧困が戦争を起こす もし社会が現状で固定されるとしたら、現在比較的幸福な人はいいが、もし不幸な人はどうだろうか。それはその人の希望を奪い去ることになる。国家同士の戦争もある一面では現状に満足できない国家と、それを阻止しようとする国家の営みといえる。

第一次大戦後ヨーロッパの比較的裕福な人々の間で戦争が二度と起こらないように、家族友人の死、あるいは戦争による破産などの不幸をなくすには、どうしたら良いか考えられたのは自然なことだ。そして彼らは結論した。「貧困が戦争を起こす」。

大戦中ロシアでは革命が起こりソ連邦が誕生する。国民(ソ連に国民がいたかは定かでないが)に貧困のない平等な生活を提供する統治体の出現に、ヨーロッパのエシュタブリッシュメントは期待と不安の眼差しを向ける。
リベラリズムの誕生 フランス革命の惨劇を経験しているヨーロッパの裕福な人達は、現状を維持しながら戦争を防止する政治体制の確立を急いだ。そのような背景でリベラリズム理論が誕生することになる。その理論は金持ちはそのまま、貧乏人はもう少しお金持ちにすることだ。

日本国憲法の研究 ―合衆国憲法との比較 第1章

近代憲法は、主権者である国民の意志として、組織される政府に対する命令書なので、前文は、その意志を表現したものがふさわしい。そしてその目的を明確にする必要がある。さらにその目的のために、憲法を制定するわけなので、そういうことを頭に入れたうえで、再び前文を読むと、合衆国憲法は、

われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここに アメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。
目的意志がシンプルかつ明確に表現されている。これと比較して、日本国憲法における国民意志もしくは達成したい目的は、

政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。に色濃く現れ、

これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
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国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

目的を達成することを、宣言命令するのではなく誓ふ。さらに誓ふ対象も明記されていない。我々日本国民は、誰に対して目標を達成することを誓ふのだろうか。 これに答えを出せる憲法学者や国会議員が、我が国にはどれほどいるのだろうか。国民はそれを疑問とも考えていないのだろか。

第 1 章はその意志を具体化する、そして目的を達成するための第一歩ということだ。最重要なことを最初に申し述べているのである。アメリカ合衆国にとって最重要なことは法の支配、法による秩序であり、日本国では天皇―スメラミコトによる秩序―これをしらすという―であるということだ。大日本国憲法では、

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合衆国憲法は合衆国の秩序は法によって護られるゆえ、第 1 章では立法府についての規定が列記される。一方、日本国憲法では天皇についての条項が…

年次改革要望書

サイトで偶然みつけた原文の、いわゆる「年次改革要望書」だが、TPPと比較してみても面白い。アメリカの戦略なのか執念なのか、はたまた信仰なのか、1994年からもう20年くらいやってる市場開放交渉だ。我国政府も辛抱強くそれに対応していることがわかる。

TPPとはなにか ―GATT・WTO体制から考えるTPP

TPPというのはWTOが認めるGATT体制の例外で、自由貿易協定や関税同盟などの地域貿易協定のことだ。そのことについての議論が国会の場でもあまりされていないように思う。おがた林太郎元衆議院議員のブログそもそもFTAとはというエントリーがあり、自由貿易協定の根拠はガット24条だということを知らない議員が多いと指摘している。

経済産業省の説明では自由貿易協定(FTA: Free Trade Agreement)と関税同盟(Customs Union)を総称して地域貿易協定としている(RTA: Regional Trade Agreement)が、これらはGATT・WTO体制の例外として認められている協定で、それを規定しているのがガット24条という事になる。経済産業省のHPに関税及び貿易に関する一般協定、GATTの翻訳が掲載されている。
この協定の適用上、
(a) 関税同盟とは、次のことのために単一の関税地域をもつて二以上の関税地域に替えるものをいう。
(i) 関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条及び第二十 条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)を同盟の構成地域間の実質上のすべての貿易について、又は少くともそれらの地域の原産の産品 の実質上のすべての貿易について、廃止すること。
(ii) 9の規定に従うことを条件として、同盟の各構成国が、実質的に同一の関税その他の通商規則をその同盟に含まれない地域の貿易に適用すること。
(b) 自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条 及び第二十条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃 止されている二以上の関税地域の集団をいう。 TPPも含む地域貿易協定の根拠は24条にある。つまりTPPにも最恵国待遇が適用されるということだ。一応経産省のHPから最恵国待遇のPDFにリンクを張る。

WTOはその前進であるGATT(General Agreement on Tariffs and Trade) 関税及び貿易に関する一般協定が機関に昇格したものだが、実は国際通貨基金、世界銀行と並びブレトン・ウッズ体制の枠組みとして発足する…

TPPを締結できるか ―日本国憲法から考える

日本国憲法はその制定過程に疑義があるが、陛下の御名御璽のもと、施行されたのであるから、現在の政府はそれを遵守しなければいけないことは当然だ。しかし今回TPPについての議論を憲法の論点から整理をしながら思うことは、憲法を国会議員が全く意識していないし、ましてや遵守など微塵もされていないことに愕然とする。条文は、
第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 つまり、政府関係者は尊重擁護する義務があるのだが、自らの権限範囲つまり既得権擁護の議論にしか終始していないことには悲しみを覚える。

まずTPPなどの多国間協定は名は協定だが国家間の約束であるから、条約法に関するウィーン条約で定義される「条約」である。
第二条 用語
1 この条約の適用上、
(a) 「条約」とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。 さらに関税などの通商に関わる条約を通商条約といい、現在はWTO・GATTで規定されている。日本国憲法では、条約などの外交交渉は、内閣の専権事項である。
第七十三条 
三  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。 しかし、内閣は事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とするとあるように、締結した条約の批准は国会の権限になる。国会が批准しなければ国内的な効力は発生しない。

日本国政府は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を締結批准しWTOの構成国である。これは憲法の九十八条第2項の規定により国内法を改正して対処しなければならない。
第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
2  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 しかし憲法の条規に反する如何なる法律、命令、詔勅、及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しないとあるように、もし内閣が事後承認を要求した場合、締結した条約は国際的な効力を発生させるとされるのだが、国内的…

小和田恒悪玉論を問う ―衆 - 外務委員会 - 1号 昭和60年11月08日 その2

引き続き、村田春樹さんが國民新聞に書いた記事「小和田恒悪玉論を問う」への激励投稿を続けたいと思う。さて国会会議議事検索システムで昭和60年11月8日衆議院外務委員会の土井たか子委員の質問に対する答弁を検証しよう。

北朝鮮は日本の脅威ではない

北朝鮮の核開発問題は、日本にいろいろな教訓と示唆を与えてくれる。現在日本は、米韓と共に北朝鮮と対峙しているが、日本は、北朝鮮となぜ敵対しているのか、本当の敵は北朝鮮なのかという根本的な命題は、マスコミはじめ識者でも語られないままだ。今回はその辺を整理しよう。


北朝鮮問題の歴史的経緯 朝鮮民主主義人民共和国建国 1910年8月29日、大韓帝国は、日韓併合条約を専制君主である皇帝純宗が裁可することで、大日本帝国との合邦国となった。1945年4月12日、米国は、大日本帝国敗戦後の朝鮮半島統治に関して38度線での分割統治を提案する。1948年9月9日朝鮮民主主義人民共和国の成立は、その年の8月15日大韓民国の成立とともに、朝鮮半島における米ソの対立をより明確にすることになった。

共産主義による世界統治の実現のため、1950年6月ソ連及び、1949年に建国した中華人民共和国の支援を受けて、38度線を越境し大韓民国に進攻戦争を開始して朝鮮戦争が勃発する。大韓民国に駐留していた米軍を中心に国連軍―正式な手続きを経ていないので実質は国連派遣軍若しくは多国籍軍、が組織され、これを迎撃することになる。



朝鮮戦争 1950年6月25日宣戦布告なしに38度線で北朝鮮ソ連中国連合軍の砲撃が開始され、10万を超える兵力が38度線の越境を開始する。当時の韓国軍は兵力約11万人で装備は脆弱であった。さらに、北朝鮮のスパイ掃討戦や軍内部のスパイ粛清で士気は疲弊していた。米国及び国連は動揺するが、6月27日には国連安保理で北朝鮮を侵略者と認定して、その行動を非難する。さらに軍事行動の停止と軍の撤退を求める「国際連合安全保障理事会決議82」を賛成9反対0:棄権1の全会一致で採択した―ソ連は欠席。
韓国軍の崩壊と国連軍の敗走 韓国の李承晩大統領は、6月27日南朝鮮労働党関係者の処刑を命じ、韓国軍や韓国警察によって共産主義者の嫌疑をかけられた20万人から120万人に上る民間人を裁判なしで虐殺した―保導連盟事件。同時に、ソウルを放棄して水原に遷都した。このとき漢江にかかる橋を避難民ごと爆破した―漢江人道橋爆破事件。これにより漢江以北には多数の軍部隊や住民が取り残され、韓国軍の士気がさらに下がることになる。

国連軍を指揮した、マシュー・リッジウェイ将軍は、退却する韓国軍が放棄した装備は、数個師団だったと述べ…

農協は必要か ―農業保護政策は農家保護ではなく、農林水産省OBとJA職員の保護にすぎない

この冬、北海道にずいぶん出張したのだが、その時聞いた話題を提供しようと思う。

通州事件の体験記 ―気の弱い人は讀まないでください

通州事件は 、1937年(昭和12年)7月29日に発生した事件で、冀東防共自治政府保安隊(中国人部隊)による日本軍部隊・特務機関に対する襲撃と、それに続いて起こった日本人居留民に対する虐殺事件である。その体験記がある。讀むのも恐ろしい体験が綴られているのだが、歴史的事実を知るには貴重な記録であるので本誌の読者にも紹介する。あまりも惨たらしい体験記なので気の弱い人は讀まない方がいいと思ふ。
日本人皆殺しの地獄絵 私は大分の山の奥に産まれたんです。すごく貧乏で小学校を卒業しないうちにすすめる人があって大阪につとめに出ることになりました。それが普通の仕事であればいいのですけど、女としては一番いやなつらい仕事だったので、故郷に帰るということもしませんでした。そしてこの仕事をしているうちに何度も何度も人に騙されたんです。小学校も卒業していない私みたいなものはそれが当たり前だったかも知れません。それがもう二十歳も半ばを過ぎますと、私の仕事のほうはあまり喜ばれないようになり、私も仕事に飽きが来て、もうどうなってもよいわいなあ、思い切って外国にでも行こうかと思っているとき、たまたまTさんという支那人と出会ったのです。

このTさんという人はなかなか面白い人で、しょっちゅうみんなを笑わしていました。大阪には商売で来ているということでしたが、何回か会っているうち、Tさんが私に『Sさん私のお嫁さんにならないか』と申すのです。

私は最初は冗談と思っていたので、『いいよ。いつでもお嫁さんになってあげるよ。』と申しておったのですが、昭和七年の二月、Tさんが友人のYさんという人を連れて来て、これから結婚式をすると言うんです。そのときは全く驚きました。冗談冗談と思っていたのに友人を連れて来て、これから結婚式というものですから、私は最初は本当にしなかったんです。

でも、Yさんはすごく真面目な顔をして言うのです。Tさんは今まで何度もあなたに結婚して欲しいと申したそうですが、あなたはいつも、ああいいよと申していたそうです。それでTさんはあなたと結婚することを真剣に考えて、結婚の準備をしていたのです。それで今日の結婚式はもう何もかも準備が出来ているのです。とYさんは強い言葉で私に迫ります。

それでも私は雇い主にも相談しなくてはならないと申すと、雇い主も承知をして今日の結婚式には出ると申すし、少しばかりあっ…